迷子保護🔎🍃 ページ4
※夢主幼い/🍁おやすみ
🔎
「やあ、探したよ」
好奇心で町を出て、麓の花畑に夢中になっていたら帰り道を見失ってしまい、一人で啜り泣いていたA。
平蔵はAに視線を合わせるようしゃがんで声を掛ける。探したと言うがその実、彼の顔は余裕そうで。
「おにいちゃん、どうしてここがわかったの?」
「僕は天才探偵だからね。お転婆な君の行動を推測するくらい、朝飯前だよ」
ほら、帰るよ。と平蔵が腕を広げる。Aが元気よく返事をしてそこに収まると、平蔵はその小さな身体を易々と持ち上げた。
「もう勝手に町を離れちゃダメだよ。この辺りは魔物もうろついてて、危ないんだから」
まあ、何度君が迷子になっても、僕が必ず見つけ出すけどね。なんて思っていれば、Aが平蔵の髪に一輪の白い花を差す。お礼、と言ってあどけなく笑うと、平蔵はくすくす笑いながら「どうもありがとう。……だけど、話を逸らしたでしょ、君。本当にダメなんだからね?」と、こちらの思惑は相変わらずお見通しのようだったので、思わず舌を打つA。
人のことは言えないけど、この歳で既にずる賢いAには困ったものだ。
🍃
「止まれ」
絶雲の間に架かる古びた木橋。その上をまだ魈の腰よりも低い身長の幼子が一人で渡ろうとするので、魈は思わず静止の声をかける。
幼子はピタリと止まって振り返り、「だーれ?」と魈に無垢な瞳を向ける。
「我は三眼五顕仙人、魈。お前、親はどうした」
「しょう……? せんにんって、絵本に出てくるあの仙人様?」
「えほん……ああ、そうだ」
お互いに聞き慣れない単語を反芻する。
Aはそれを聞くなり、パァッと瞳を輝かせて、魈に抱き着いた。魈は少しびっくりするも、それを跳ね除けることはしなかった。
「すごいすごい! 仙人様!」
「おい、親は……」
Aは魈に聞く耳を持たずはしゃいでいて、魈はその様子に溜息を吐くと、仕方なくAをぐいっと抱き抱えた。
人の子の抱き方なんてよく知らないので見様見真似だったが、Aは嬉しそうに笑っているから恐らくこれで正解なのだろう。
その後、魈はAに質問攻めをされ、その全てを無視したら泣かれたので仕方なく答えつつ、近くの集落まで送り届けるのだった。
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Re:(プロフ) - うめおにぎりさん» コメントありがとうございます。美味しそうなお名前ですね…🍙 気に入って頂けて光栄です! もそもそとマイペースに更新頑張ります! (2022年7月31日 0時) (レス) @page6 id: 7f1d8b0622 (このIDを非表示/違反報告)
うめおにぎり(プロフ) - すっ......好きです...需要しかない作品をありがとうございます!無理のない程度に更新頑張ってください。応援してます!!! (2022年7月30日 23時) (レス) @page6 id: 970a72fabf (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - 泡沫さん» コメントありがとうございます。私もこの3人が最推しなんです…! 神とは恐れ多いですがとても嬉しいです、ありがとうございます! ご期待に添えるよう精進します! (2022年7月30日 3時) (レス) id: 7f1d8b0622 (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - 3人とも推しなんですよ…しかもその3人の反応をじっくり楽しめるとは…作者様は神様ですか?神様ですね!() これからも応援してます! (2022年7月30日 0時) (レス) id: 5455460e92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Re: | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2022年7月28日 17時