それゆけかっちゃん！！！ (ページ22)

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　目元に熱が集中しだすのも爆豪の個性のせいかな。

　目から汗が流れそう。

　『……ここだけの話、結構怖かった。…気がする』

　気がするじゃない。怖かった。

　『死ぬってこういうことなんだ。とか何とか。今も若干痛むし、刺された時の感覚もまだ残ってる。治るからって調子に乗ってるとまじで死にそうだなって思った』

　お腹にぐっと力を入れ、声が震えるのを抑える。

　泣くな泣くな。私らしくないぞ。

　きゅっと下唇を噛んで俯けば、不意に濃くなる爆豪の香り。

　私の胸ぐらを掴んでいた手は後頭部に添えられ、もう片方の手は背後から肩を抱く。

　……どうしよう、爆豪がおかしくなった。

　あ、常にか。

　じゃあおかしくなったのは私？

　あ、通常運転か。

　ということは爆豪がもっとおかしくなったってことかそうか。多分そうだ。絶対そう。

　そういや名前呼んでくれてたんだもんね。

　あれ、夢だったっけ。

　結構嬉しかったんだけどな。

爆豪「………A」

　『………んん！？えっ、なぬ？！！』

爆豪「うっせぇ黙れ潰すぞ」

　『痛い痛い痛い息しづらい！！！』

　離れようとすればするほど腕の力を込められる。

　後頭部に添えられた手が特に。

爆豪「何かあったらすぐ俺を呼べ」

　『来てくれなさそう』

爆豪「行くわクソが」

　軽く放り投げられるような形で離された。

　私の扱いが雑すぎる。

　優しいのは一瞬だけとか悲しいからやめてよ。

　『………あれ、もしかしてさっきのデレ？ツンで終わるデレ？デレツン？？ツンデレからのツンなの？？？？』

爆豪「黙れ喋んな」

　『もしかして本当に私のこと好きなの？？えっ、まじで？？』

爆豪「……次喋ったら燃やす」

　『！！！！！』

　顔は見えないものの、後ろから見える爆豪の耳は少し赤かった。

　斯く言う私も顔に熱が集中しているのだけれども。

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