それゆけかっちゃん！！！ (ページ12)

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　『無理、死ぬ、助けて…』

相澤「死なねぇのがお前の個性だ。立て」

　『無理、痛い、むり、』

轟「……わりぃ」

　『全然大丈夫！！ほら！もう治ってる！！』

　申し訳なさそうな顔をする轟くんを見ていられず、飛躍するように立ち上がる。

　事の発端は対人訓練中。

　割と真面目に動いていたことを前提にお聞きください。

　相性が悪すぎると思っていた爆豪とのチームなのだけれど、結構息の合った戦いっぷりだった。

　私は主に右往左往からくる轟くんの攻撃から爆豪を守る役目。

　守られてねぇよとか言われそうだけど。

　そこで事件は起きた。

　空中で出したモヤに足をついた途端、轟くんの氷が爆豪を目掛けて放たれた為、モヤを蹴って飛び上がり、盾になった。

　すると、位置が悪かったのか氷の先端が私の横腹を掠ったのだ。

　そして今度は私を敵だと勘違いした爆豪が振り向くと同時に火を放射した。

　おかげで私の腹の肉は抉れ、左頬に火傷を負う羽目に。

　あ、まって、肉を抉られたってことは脂肪が削り取られたってことで体重減ってんじゃね？？

　顔もなんかちょっとかっこよくない？轟くんとお揃いじゃん？？最高かよ。

　まぁモヤの中で全部治るんだけど。

轟「本当に大丈夫か…？」

緑谷「痛みは？跡残ってない…？」

　『ほんとに大丈夫。今日めっちゃ頑張ったからクソほど褒めてくれますよね相澤てんてい』

相澤「ああ、いい戦いっぷりだった。よく頑張ったな」

　『はい完治』

　心配させまいと全力で笑ってみせる。

　珍しく爆豪も反省してるみたいだし。

　授業は無事終了し、一応保健室に行っておけと背を押された。

　一人で廊下を歩くも、いや大丈夫じゃんと踵を返す。

　なんてったって半不死身ですから。便利で仕方ないわ。

爆豪「どこ行こうとしてんだコラ」

　『あれ、いたんだ。まじで何ともないから教室に帰ろうかなって』

爆豪「一応診てもらえよ」

　『大丈夫だって』

爆豪「大丈夫じゃねぇかもしんねぇだろ」

　『そんな心配しなくても』

　腕を引かれながらも抵抗する。

　力加減を学んでいないのか腕がもげそう。

爆豪「……なんでヘラヘラしてられんだよ」

　不意に呟いた彼の声は、聞いたことのないような声色だった。

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