ほんぺーん112 ページ33
私はそんな山口の鳩尾に向かって思いっきり拳を叩き込んだ。
山「っぐはｧｯ！？…ちょ、田浦さｹﾞﾎｯ、何すんの、」
貴「私流の喝の入れ方これだからよろしく」
涙目でへたりこむ山口に私はにっこりと笑いかけた。
少女漫画の主人公なら「私に…山口君は殴れないよ。だって山口君はこんなにも反省も後悔もしてるじゃん」とか何とか言って優しく頭を撫でる所だろう。
しかしながら生憎私は中身オラウータンなので無理だ。居るのかわからんが期待してた方には本当に謝りたい気持ちでいっぱいだ。つか野生動物の前で無防備にしてた山口が悪いよねわかる。
貴「どう？田浦ちゃんのスペシャル喝は」
山「…効いた。痛いぐらいに、」
私が眉を上げて挑発的に笑うと、お腹を抑えてよろよろと立ち上がりながら山口は言った。
貴「そう？じゃあ私試合見に行くわ」
山「あ……え、うん、」
私が手を払いながら言うと、山口は呆気に取られた様な顔をした。
貴「どうしたの？まだ何かある？」
山「いや、何か言われるかと思ったから」
貴「？何か言って欲しいの？頑張れとか？」
山「言って欲しいって言うか、普通こういう時って俺のこと怒ったりするのが普通じゃない？」
ぎゅっとズボンを握って俯く山口に、私は首を傾げた。
貴「ん？そりゃ勝負から逃げたのは腹立つけど、山口なら次は絶対逃げないでしょ？」
山「っは…は。そんな、当然のようにさらっと信用とか、さ、普通する？俺、あんだけ逃げまくったのに、」
貴「は？マネが選手信じないで何信じるの」
眉を顰めて言うと、山口は目を見開いた後唇を震わせて顔を顰めた。
山「田浦さんってさ、変わってるよね。本当」
ぎゅっと口を結んで涙を噛み殺すような、掠れた声を出す山口が私にはなぜか泣いているように見えた。
山「何で簡単に、俺より俺の事信じれちゃうの。」
貴「何でって…」
山「…ｸｿかっけえ。何で、そんなにも真っ直ぐ、」
目元を手で覆って、独り言のように小さく吐き出すように言った山口に私は小さく笑った。
貴「何でってそりゃ、私らマネは皆の頑張り全部見てるからね。今までの頑張りも、苦しみも知ってるもん。」
貴「私が真っ直ぐ山口を信用できるのは、それだけ山口が真っ直ぐ頑張ってたからだよ」
ゆっくりと目元から手を離した山口に私はにひっと笑いかけた。
貴「わかったならさっさと2階行くよ！青葉城西の試合始まっちゃうし！」
山「、押忍！」
続く (更新停止中)
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狐 - いつでも待ってます。 (6月23日 15時) (
レス) @page33 id: 59d78921c3 (このIDを非表示/違反報告)
うぉー！！ - めっちゃおもろいです。続き待ってます。 (2023年4月8日 14時) (レス) @page33 id: 96c18e8dfa (このIDを非表示/違反報告)
sala-ri✰︎ - まじ最高です〜！！！！続き楽しみです更新頑張ってください！！ (2022年6月14日 18時) (レス) @page33 id: 94069447b5 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ - 今日一気読みしました！！す――ごく面白くて楽しかったです！続きが楽しみです！！！！！ゆっくりでいいので更新してください！！！！！ (2022年3月23日 14時) (レス) @page33 id: 10f6e45005 (このIDを非表示/違反報告)
すー - ホントですね…、私も退会した可能性がありますと出てきました…。もう続きは読めないんですかね…。転生もしてないですよね…？ (2021年7月29日 0時) (レス) id: 4912493c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うえはーす | 作成日時：2017年4月3日 1時
