＿ lens

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誕生ページ4

「と、燈矢兄！」
「だれ？この人」

最悪。

驚きと興味と期待で輝く視線で俺を容赦なく凍らす冬美ちゃんの瞳
すぐ終わる、とばかり考えていて気分的にも怠いから家に来させたけど二人がこいつを見てしまえば騒がれる

考えればわかること、頭を抱えそうになる

「いや、まだ違うよ～？んふふ」

ヘラヘラとまた少し顔を赤らめて俺の妹弟にデレデレし始めるストーカー

「じゃあガールフレンド？」
「きゃ、きゃあ！夏、だ
駄目だよそんな！」

思ったことをそのまま口にする次男と年頃の女の子ような反応をする長女
夏くんがストーカーを観察するように見据える

「全然そんなんじゃないよ。今はただのクラスメイトです」

「言い方、辞めろ。ほら、ソイツには帰って貰うから早く入ってよ冬美ちゃん夏くん」

「呼称が愛らし…」

”まだ”なんて言うのは認められていないのを自覚していたんだろう。でも切実にでもその言い方は辞めて欲しいし本音駄々漏れでキモチワリィ

「家に入らない？今日燈矢兄の誕生日で！」
「えっいいの？」
「私は大丈夫！」

ストーカーはこちらの顔を覗く
わざわざ足を運んで来たし、でもこのまま入れば母さんでも「どうぞ友達になってやって」って言って俺の友達です、家族公認ですって周りだけで盛り上がられるのは腹立たしい。
いっそ、と悩んだ末

「…いーぜ」
「返事遅～い、じゃいこう！…あ、えーと名前は」

「倉田Aだよ。ふ、あなた達は？」
「Aちゃん！私は冬美です。で、こっちが」
「夏雄だよ」

「よろしくね」

それから二人はケーキを冷蔵庫にいれにいった、ストーカーは俺の部屋で二人きり

「なんかごめん。お邪魔しちゃって」

「別にいいよ」

沈黙が流れる

そーいや

「そーいや。倉田にしては冬美ちゃんと夏くん知らないのは驚いた」

「いや、知ってたよ。でも名前はきやすく呼べないし」

知ってたのに聞いた。礼儀のつもりだとしてもサラッと俺に真実を述べたらアウトだろ
すんすんと匂いを嗅ぐストーカー

「これが轟くんの臭いか」
「キモいって」
「ごめんごめん」

　