＿ lens

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水面ページ27

＿＿＿＿＿＿「夏だ！」

＿＿＿＿＿＿「プールだ！」

＿＿＿＿＿＿「水泳だ！」

＿＿＿＿＿＿「スク水だー！！！」

ロビーで他クラスと騒ぐうちのクラスの男子達、もう七月に突入し水泳の授業が今日の午後にあった。

隣の轟くんはつまんなそうに外を眺めていた。

中学に上がったとはいえ水泳授業は未だ男女共同、女子が「もうやだ男子ってば」と嫌そうにグループで愚痴を言うのを聞こえた。
だが男子達、私はその気持ちがわかるぞ

だって年にある恒例行事の一つであり轟くんのスク水姿を難なく見れる時期！シャッターチャンスを私は逃さない！

なんて水泳の授業を楽しみにしていたのに。

そう思っていたのに

「なんで一緒に見学してんの」
「色々」

私は充電も忘れず用意してきたと言うのに轟くんは私と同じ様に体操着を来て見学枠のベンチに私の隣で座っていた

「ふっふざけるなー！私！この時を一ヶ月前から楽しみにしてたんだぞ！？」

「おい見学！うるさいぞ！楽しみにしてたんならちゃんと次から水着持ってこい！！！」

立ち上がって文句を轟くんに向けて叫べば勘違いのまま注意する先生、違うんだ先生、私はそんな純粋な気持ちはないんだと申し訳なくもない気持ちでベンチに座る

ガヤガヤと並んでいくクラスメイトを頬杖つきながら眺めた。

「はーあ、」

クラスメイトは冷たいと騒ぎながら水に浸かる、太陽の光を浴びながら、ソレが心地良さそうで羨ましい

私の何ともないただの思い出話を聞いてくれた後でも私と変わらず話してくれる。

ただ私が伝えたかった事は、そんな事じゃないのだ

私は

「どうせ俺の水着姿堪能したかったんだろ」

珍しく轟くんから話し掛けてくれた

「よく、よくわかったね」

「お前がわかりやすいだけ」
「そっかあ、」

顔に、頬に汗が伝うのを感じる。
「あついね」
「ん」

なんだか寂しい、夏は酷く熱く太陽が熱するのに、熱くて仕方ないのになんだか空っぽで冷たい。寂しい気持ちにさせる。

でもそれはきっと隣に轟くんが居るから

今までこんなこと感じなかった。そのせいか今、私は変な衝動に駆られる

熱くて頭が正常に動かないんだろう、

幸いクラスメイトがつかっている方は柵から向こう側。立ち上がった私は轟くんの手を取り引っ張りプールに飛び込んだ

　