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幼子ページ26

まだ幼い子供を見ると過去の思い出をスッと思い出してしまうのは私だけではないんだろう。轟くんが焦凍くんの名前を出すと普段とは違う、嫌悪や憎悪の様なモノを出した
何をしゃべった？とかしつこく聞かれ戸惑う

可愛かったとかやましい事は無いけど場凌ぎに適当な事を言い納めたけど、家庭の話なんか自分から出した事のない轟くんだからわからなくても変に察してしまう

この前の冬美ちゃんもこちらから聞いてなくてもエンデヴァー、お父さんの言葉が出てきた。その時その事で一杯だったんだろうけど

いつしかそんな轟くんが苦しそうに見えて、どう言ったらいいのかわからなくて、そのまま時は過ぎた。

6月の心地よい暖かさに包まれながら久しぶりに轟くんと二人きりで帰る。

「私、小さい頃お婆ちゃんと住んでたんだよ」

急になんだと振り返っただろうか？そんな事も気にかけず自分語りを続ける

「父方のお婆ちゃん、おじいちゃんはもう私が生まれたばかりの頃に亡くなって祖母は認知症だったらしい、元気でも一人だから私が物心つく頃には一緒に住んでいたけど。介護と育児、家事で疲れたお母さんとお父さんは夜な夜な夫婦喧嘩をしていたよ。」

物心がつく頃には祖母の存在事態が赤の他人も同様で、二人の喧嘩の発端でもある祖母を虐めたりする訳ではないが嫌悪していた。見ていなきゃ暴れ倒して、それでも笑顔を忘れず優しく接していた母を、母の背中を見つめていた。そんな母に自分の悩みや聞きたい事なんて言えるわけなく、幼いながら胸の奥に押し込んだ
ある日、帰ってきてまた祖母が暴れた押した後、いつもの様に寝付いた時だ
祖母はよく眠る、死んだ様に熟睡するからそのまま死んじゃえと心の奥で呟く、それじゃ足りない私は周りに聞こえない様布団に横たわる祖母に小さく静かに罵声を浴びせた。
そのといに言った事は今では覚えてない、
小学生に上がる前に彼女は他界した。

あれからもう過ぎた。今更どうこう言う気なんか更々ないが、いつの日か
祖母を泣かせてしまった言葉を今でも思い出せないことが気にかかっていた

「轟くんの悩みや過去とかに比べたらどうって事ないかも知れないけど、私は今まで生きてきた中で一番に異様な時だったと思ってる。」
過去のぼっち小学生の肩書きよりは

「…」

「それにこれからもっとスゴい事に出合うかもしれない」

轟くんの無言が沈黙を連れが丁度あの分かれ道がこの沈黙を止めてくれた
「じゃーね」と「また」と別れの言葉を交わす。

だけどこの分かれ道が轟くんと私の世界の違いを示して居るようで

嫌になる