＿ lens

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際会ページ19

少し斜め後ろから街灯に照されて影と光がくっきり分かれる
時刻を見れば六時半、通報されて警察のお世話にもなるのは怖い。が、まず話を聞いてあげよう

「さぁ、泣いてた理由を教えて？」

「友達？知らない人に変なことされた？痛いことされた？」

濃い線を除いて聞くと一つ一つ“違う”とちゃんと答えてくれる。不審者説がなくて凄い安心した。でも残された物を見れば私が入り込んじゃダメなとこ。

この子の涙には代えられんと思いきって聞いてみる

「お父さんお母さんが喧嘩したとか？」

冬美ちゃんの中で衝撃が走ったような気がした。

当たっちゃダメだろと頭を抱えた

「なんでわかるの？」
「この時間で外にいてそんな顔していて性格的にそこら辺かなぁって、思ってね」
「よくわかんない」

「あんまり話したくない？」

「…うん。」

それはそうだろうなと納得、そして口の固さにまた胸内で冬美ちゃんを褒める

「じゃあ冬美ちゃんにはアドバイスしよう、…ありきたりだけど勇気を持とう！勇ましくなくていい、ただ嫌って気持ちを伝えたら？」
「でも、」

「お父さんは怖い」

それはあの風貌を見たら、そこらへんの子でも怖いと思うのは普通だし仕方ない

「ま、とにかく帰ろうか、また今度話そう？いつでも言って、ただし轟くんとか人に話すのは内緒」
「うん、わかった。Aちゃんも内緒だよ？」

立ち上がり寒そうにしてたから彼女に上着を掛ける。少し進んだら遠くから走ってくる音が聞こえて、闇に慣れない目で凝らすとそこには轟くんの姿があった

「遅い、二人とも。」

疑わしい、という目を私に向けてくる轟くんをスマホで連写(フラッシュ有で)する
「うわっ」

通知を見ればお母さんから何してるのという連絡があり二人に防犯ブザーを渡した
「私急いで帰るから、とりあえず二人はこれで身を守って」

その後お母さんに凄い怒られたし轟くんからの尋問のメッセージが来たのは言うまでもない話

　