＿ lens

今日:19 hit、昨日:6 hit、合計:9,698 hit

際会ページ18

「ふ、冬美ちゃん…？」

そう、綺麗な白い髪に所々赤いメッシュが入ってるこの可愛い子は我が推しの妹冬美ちゃん

“えッ”と声を漏らして振り返る女の子、やっぱり彼女だ

可愛い

「こんばんは、この時間にスーパーとは、危ないよ」
「あ！この前の、えーと」
「Aって呼んで」
「Aさん？」
「私ちゃん付けで呼んでるしちゃんでいいよ可愛いね」

“ありがとう”と輝かしい顔で笑って、轟家のビジュアルは最強だ。だけど彼女の目元が気になる
「それで、一人なの？お家の人には？」
「いや友達もいたんだけど先帰っちゃったみたいで」
もじもじと指を合わせながら目をそらす冬美ちゃん、
「危ないよ？送ろうか？」
「え、いいです、そんな！」
「遠慮しないの」

一応の為轟くんにメッセージを送る

『冬美ちゃん一人でスーパーいてたけど家まで送るね』

『変な事するやよ』

誤字のせいでほっこりした、びっくりでもしてたんだろうか？すぐさま返事を送る

レジの順番が来て、会計を済ませスーパーの玄関に待たせていた彼女の方に駆け寄る。

「ごめんね、待たせたね。いこうか」
「え、全然！あたしの方も、ごめん。Aちゃんは何でスーパーに？」

歩き出し轟家を目指し歩道に足を踏み入れる
次は小さい冬美ちゃんと歩幅を合わせる。二人肩を並べる、私が少し大きいくらいでそこまでない年の差を感じさせる

「おつかい、冬美ちゃんは危ないのに何で一人でいたの？」

やらかした。轟くんは何も言わないからつい探求を、
圧の掛かる言い方をしてしまった。
泣いた後なのか目が赤くなっていたから不穏な雰囲気を感じる、よく周りの大人も気づかないなと思った

まだ小さくて可愛らしい女の子が一人こんな顔しているのに、ただ幸いに変な大人に目をつけられていなかった事

いつもならにやけ顔になってるはずなのに、強ばって仕方ない
こんな表情筋寄せていたくないのに、

「泣いてたよね？」

無言で返す冬美ちゃんに追い討ちをわざとかけた。図星なのか肩を跳ねさせた
やらかしたモノはしょうがない
理由を聞き出して元気付けよう

「え、えへへ！バレちゃった。お姉さんってそういう個性なの？」
「んーん」
「じゃあ、スゴいね！…ええと…おこってる？」
「怒ってない、一人で出歩くのは良くないけど私が怒るのも可笑しいから、怒らないよ」

「ただ注意するだけ」

無理に明るく振る舞うのは癖なのか笑って誤魔化す仕草を年上ながら冬美ちゃんを大人っぽいと印象付ける。

ふと初めて見る小さな公園のベンチが街灯に照らされていた。

「あ、ほら、そこのベンチに座ろうよ」

　