＿ lens

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志向ページ13

ただ移動中の会話に混ざる事はできなかった。
自己紹介終えてるし、グループの隅でただついてくだけで話し掛けられる事はない、ちょっと後ろについていくとまた更に除け者感。最高に最悪、彼女たちはそんなつもりはないだろう、だからもっと申し訳無さが私を襲う

角を曲がりもうつく所までいくと、目的の教室の前で轟くんが扉に手を掛けながらこっちを見ていた。初め視線が混じる、

あ、カメラ忘れてる

数秒こちらを見ていたが彼が教室に入っていくと目の前にいる彼女達がコソコソと話す
「なんだろ、気味悪かった」「ねー、見下してるんだよ」「えぇ、私は燈矢くん好みかも」「悪趣味」

どうやら轟くんが私と見つめあっていたのは気付かれなかったようで陰口(とおまけ)が交わされる
案外鈍感が多いのかな？

「あ、でも轟くん倉田さんと昨日帰ってたし倉田さんの事見てた？」
「あー、やるじゃ～ん倉田さん」

前言撤回、気付かれ咄嗟に「違う違う！まだそんな仲良い訳じゃないんだよね。それに恋愛感情はないですから！」と必死に否定する。年頃(と言う程でもないが、)男女が揃えばやはりこういう風に見られるのだろうか、“えー、そうなんだ”と自分達も教室に入る

時刻は昼

「さっき見てたけど、どうしたの」
「なんでも」

背後から問う私を交わすように顔を背けた
「あの時カメラ忘れて、撮れなかったんだけど」
「知らないし」

「あと今日も一緒に帰ろう」
「…」
無言の了承に私は頬を緩める

今日はちゃんとチェキを構えとこう