５ ページ6
その後、並んでゲーセンを出た。
もう少しで１８：００…か。
早く帰らないと、母さんも待ってるし。
『…じゃ、今日はありがと。 また明日』
冬弥「あ…最後に良いですか？」
『何？』
冬弥「写真撮りませんか？ せっかくの記念なので、
残しておきたくて」
『…別に良いけど。 …はい、近付いたよ』
一旦立ち止まって、青柳くんの左肩にぴったりくっつく。
青柳くんはまた戸惑って、でも写真を撮った。
カシャ
シャッター音が鳴って、私は離れる。
冬弥「これ、紙に印刷するので終わったらあげますね」
また許可してないのに決め付ける。
何で付き合ったんだっけ、私達。
迷惑なんだけどなぁ、ついてこられるの。
『…うん、じゃ今度こそ。 じゃあね』
それだけ言って、私は夕日に染まる街を歩いていった。
影は後ろに伸びている。
その影の先には、きっと青柳くんはもう居ない。
私は彼を騙しただけだ。
“ 付き合う ” 、というのは今日１日だけ。
つまり明日からは他人同士に戻るから。
『ニンゲン』を嫌う私と居ない方が、君は幸せになれるから。
─────
『ただいま』
母親「おかえり、A！ 今日は遅かったね」
『ごめん、友達と遊んでたから。 すぐにお風呂入るね』
今日は父さんも帰ってくる。
久しぶりに会えるかな。
『…あれ、父さんは？』
母親「お仕事がちょっと伸びちゃうみたい。
先にご飯食べてて良いって言われたから、Aが
終わったら食べましょっ」
『ははっ、父さんも忙しいから仕方ないね。
分かった、わざわざ伝えてくれてありがとう』
嘘吐き。
どうせ女の人と遊んでるんでしょ。
“ 両親 ” は浮気性だから、私もそうなるかもしれないし。
だから１日だけ青柳くんと付き合った。
なるっていう保証は無いけど、可能性は一応ある。
『……私と居ると、不幸になっちゃう』
シャワーも止め、静まり返ったバスルームで
私は独り言をこっそり呟いた。
─────
母親「いただきまーす」
『…いただきます』
今日はビーフシチューか。
口にスプーンを運んで、流し込む。
母親「どう？」
『美味しい、ありがとう母さん』
母親「良かった！ 正直不安だったの」
味なんて分かんない。
ただ、母さんが喜んでくれればそれで良いんだ。
─────
合計８００hit超え、お気に入り登録５０人超え、
ありがとうございます！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「プロセカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ramune - 雪さん» 治してあげて下さい (2022年7月1日 20時) (
レス) @page31 id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 青柳くんは、私が治します。 (2022年7月1日 0時) (レス) @page31 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - 雪さん» はい。 喜んでいただけたなら良かったです。 (2022年6月29日 19時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ありがとう。冬弥となら…進んでいける気がしたよ。 (2022年6月28日 23時) (レス) @page30 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - レムさん» コメントありがとうございます！ 面白いなら良かったです…！ これからも頑張っていきますので、どうかよろしくお願いします！ (2022年6月6日 20時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ramune | 作成日時：2022年4月16日 18時
