番外編…先輩、笑って下さい… ページ30
※本編とは全く関係ありません
※悩んでいる人、抱え込んでいる人へ、
冬弥くんが慰めてくれます
※先輩、後輩関係です
〜夢主side〜
誰も、誰も私を見てくれない。
ある授業で「人には思いやりの心が大切、人の気持ちを考える」と
先生が言っていた。
じゃあ私のクラスは、誰もその事を聞いてないという事だ。
クラスで特別目立っている訳でもない、どこにでも居るような人間。
クラスメイトは、クラスメイトじゃないのだろうか。
例えば体育の授業、暑くて熱中症の軽症になっても声を掛けてくれる人は
１人も居なかった。
先生にも言い出せない内気な性格のせいで、その後の部活も頭痛が酷かった。
『…あ、薬忘れた』
何で今日に限って頭痛薬を忘れたんだろう。
最悪、もう死にたい。
誰も居ない教室で、ロッカーの前で佇んでいた。
心が痛い、誰も助けてくれない。
何で生きているんだろうと、分からなくなる。
そんな時、鞄から何かが落ちた。
頭痛薬じゃない、他の薬。
『……睡眠薬？』
なるほど、楽になっても良いんだって。
そう解釈した私は持ってきた水筒の水を口に含んだ。
躊躇なんて一切無かった。
「…A先輩、」
バサッと紙の落ちる音と口に含んだ水が溢れる。
ああ、ああもう、最悪だ、もう、もうやだ。
教室に来て私に駆け寄ってきたのは、同じ委員会の青柳冬弥くんだった。
仲良くはさせてもらってた、礼儀良いしお気に入りだった。
冬弥くんは私の背中を擦って、私の名前を呼び続ける。
『……と、や…くん、何で…？』
冬弥「それは後で良いです。 深呼吸して下さい、吸って…吐いて、」
『………ごめ、ん。 ごめんこんな人間で。 誰も気にしてくれないような、
どこにでも居そうな人間で生まれて、生きてきてごめん…っ』
縋れるのは冬弥くんしか居なかった。
そんな我儘を聞いてくれた冬弥くんは、私を優しく抱き締めた。
口から溢れた謝罪の言葉と、唾液を含んだ水。
冬弥「死なないで下さい、なんて無責任ですが。
俺は少なくとも先輩には笑っていて欲しいです。
そして、笑わせてあげられるのが俺なら良いな…って思ってます」
きっと本気なのであろうその言葉。
私を信じてくれていた人はまだ、居たんだ。
まだ、私を見てくれている人が…。
冬弥くんの胸の中で号泣していても、冬弥くんは私を放そうとしなかった。
冬弥「…一緒に最後まで笑いましょう」
そう、魔法の言葉を。
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ramune - 雪さん» 治してあげて下さい (2022年7月1日 20時) (
レス) @page31 id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 青柳くんは、私が治します。 (2022年7月1日 0時) (レス) @page31 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - 雪さん» はい。 喜んでいただけたなら良かったです。 (2022年6月29日 19時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ありがとう。冬弥となら…進んでいける気がしたよ。 (2022年6月28日 23時) (レス) @page30 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - レムさん» コメントありがとうございます！ 面白いなら良かったです…！ これからも頑張っていきますので、どうかよろしくお願いします！ (2022年6月6日 20時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ramune | 作成日時：2022年4月16日 18時
