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あの後、彼とは会わなかった。
そのまま時間は過ぎていき
あっという間に放課後になった。
今日は私が図書委員会の当番だったはず。
放課後の図書室とは、人は誰も来ないし先生も書類とかで
来ないから、物凄い暇だ。
その間、私は本当は見ちゃいけないスマホをいじっている。
─────
３０分ほど、経過しただろうか。
あと３０分で家に帰れる…。
そう思った時、私に起きて欲しくない悲劇が起きた。
「A先輩、お疲れ様です」
『…青柳くん』
現実を受け止められない。
何で彼がここに居る？
今日の当番は私だし、青柳くんが来る必要は無い。
顔を逸らしてスマホに目を向ける。
『…何の用？ “ 忘れて ” って言ったよね』
冬弥「すみません、会いたくなったので来ました」
『用が終わったらすぐ帰ってね、私は君と話したくない』
冬弥「いえ、今日は手伝いで来たので俺はずっと居ます」
『手伝いは要求してない』
ばっさり断ると青柳くんは黙った。
１度ため息を吐き、私は愚痴を吐く事にした。
『…私の愚痴聞いてくれる？』
冬弥「！ はい、もちろんです」
『私の両親ね、本当の親じゃないの』
青柳くんを見れば、その発言に瞳を揺らした。
まぁ、急に先輩から爆弾発言されたらそうなるか。
『しかも浮気ばっかしてる、母さんは毎回違う男、
父さんは毎回違う女と戯れてる。
今朝だって母さんは知らない人と寝てた』
冬弥「……そうだったんですか」
『だから “ 人間 ” ってよく分かんないし嫌い。
何考えてんのか私が知る事じゃないし、どうせ皆裏切るし、
私はなるべく他人と関わらない』
冬弥「…少し、手をお借りします」
『え、ちょっ…』
青柳くんに空いている手を握られる。
他人の体温なんて、何年も知らなかった。
最後に知ったのは、本当の両親の手。
“ 絶対に戻ってくるから、ちょっとだけ待っててね ”
あ、売られたんだ、って思った。
そんなの嘘だって分かってるよ、
いちいち嘘なんて吐かないでよ。
“ ちょっとだけ ” ？
どこがちょっとだけなの、迎えに来ないくせに。
冬弥「…俺はこうされると凄く落ち着きます。
どこか安心して、眠たくもなります。
今のお話は壮絶な過去でしたから、
少しでも安心できるように…と思ったんです」
そんな事しなくて良いのにな。
そっと手を抜いて、私は本を探しに席を立った。
─────
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ramune - 雪さん» 治してあげて下さい (2022年7月1日 20時) (
レス) @page31 id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 青柳くんは、私が治します。 (2022年7月1日 0時) (レス) @page31 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - 雪さん» はい。 喜んでいただけたなら良かったです。 (2022年6月29日 19時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ありがとう。冬弥となら…進んでいける気がしたよ。 (2022年6月28日 23時) (レス) @page30 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - レムさん» コメントありがとうございます！ 面白いなら良かったです…！ これからも頑張っていきますので、どうかよろしくお願いします！ (2022年6月6日 20時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ramune | 作成日時：2022年4月16日 18時
