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ムードなんて全く無しで顔が近付いていく。
私の頭の中は、無重力の空間みたいにふわふわしていた。
放心状態、と言った方が早いだろう。
『っ！』
冬弥「んぅ、」
急に我に返って、青柳くんの顔を片手で押しのける。
掌に当たる柔らかい感触、青柳くんは不意打ちだったのか
声を漏らす。
『ちょっ…な、にしてんの…！』
冬弥「…彰人が言ってました。
“ 好きな相手にはキスをするのが手っ取り早い ” …と」
誰だか分かんないけど、会ったら絶対に絞める…。
しゅんとして、私から離れる青柳くんはため息を吐いた。
いや…でも、一応ムード的なのはあったか。
人気の無い外のベンチで２人きり…。
『……とにかく、相手の許可無くキスはしちゃ駄目。
私じゃなかったら嫌ってたよ』
冬弥「嫌ってないんですか？」
心外というような顔で見つめてくる。
嫌う…より、動揺が大きかったかな…。
嫌うなんてしてる余裕無かった。
『…あと、そんな事してもう謝りたくないし、
皆を巻き込みたくないから』
冬弥「A先輩はやっぱり優しいですね」
『…あと、ご飯さっさと食べて戻ろうよ。
私今日の放課後の当番確かめたいんだけど、』
わざと話を逸らした。
その場しのぎの提案に馬鹿真面目に答える青柳くんで良かった。
“ だから、許して下さい… ”
あの時の切羽詰まったような表情と、
近付いた時の呼吸の早さと温度が強く印象に残る。
横目でちらっと青柳くんを見る。
図書委員会の本日の仕事を熱心に話す表情は、
さっきとまるで別人だ。
冬弥「それと……。 A先輩、聞いてましたか？」
『っうん、聞いてる。 それで？』
咄嗟に得意なその場しのぎを使って、話を続けさせる。
天然なだけなのか、それとも確信犯か。
その微妙な問題が、行動が、私の心を掻き乱していく。
結局、私達は昼休みのチャイムが鳴るまでそこに居た。
時間なんて『
────
どうやら今日の放課後の当番は青柳くんらしい。
さっき、外で話してくれていた内容なんて実は聞いてなくて、
わざわざ図書室のドアに貼ってある当番表を見に来た。
「そこに居るのはAか？」
『……司くん、何か久しぶり』
輝いている彼が、窓に反射して映っていた。
────
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ramune - 雪さん» 治してあげて下さい (2022年7月1日 20時) (
レス) @page31 id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 青柳くんは、私が治します。 (2022年7月1日 0時) (レス) @page31 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - 雪さん» はい。 喜んでいただけたなら良かったです。 (2022年6月29日 19時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ありがとう。冬弥となら…進んでいける気がしたよ。 (2022年6月28日 23時) (レス) @page30 id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
ramune - レムさん» コメントありがとうございます！ 面白いなら良かったです…！ これからも頑張っていきますので、どうかよろしくお願いします！ (2022年6月6日 20時) (レス) id: b281f98d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ramune | 作成日時：2022年4月16日 18時
