箱入りむすめ。〈２〉

早朝のゆったり時間 ページ13

大毅 side


「 ……んあ〜… 」


６時ぴったりに鳴ったアラームで目を覚ます。



リビングへ行くとソファで流星が寝てた。


流星のかばんと一緒に置かれている紙袋。

まさか と思って少し覗かせてもらうと…



犬のぬいぐるみ。



まじか〜。笑

すごいな、俺ら。笑


Aちゃんも思ってるやろなー。

コイツらどんだけぬいぐるみ買ってくんねんって。笑

まあ、みんなAちゃんの喜ぶ顔が見たいだけなんやけどな。





１人でコーヒーを飲んでいると静かにトントンと階段をおりる音が聞こえた。


この足音はAちゃんや。


顔が見えると、自然と俺の顔も緩む。



「 Aちゃん、おはよう 」

『 おはよ、しげちゃん 』


俺を見たあと、不思議そうにソファに寝ている流星を見るAちゃん。


「 流星のことは気にせんでええよ。そのまま寝かせとき 」

『 うん 』


そう言って俺の隣に座ってきた。


その手には、うさぎのぬいぐるみ。

そういえば、小瀧がうさぎのぬいぐるみ買ってベッドに置いてきたって言うてたな。



『 しげちゃん？ 』

「 ん？ 」

『 このうさぎさんね、みんながくれたぬいぐるみの所にいたの。なんでかなぁ？ 』


不思議そうに俺の顔を見て、うさぎの頭を撫でるAちゃん。





どう答えようかと思ってたら、いいこと思いついた。


「 そのうさぎさんな、のんちゃんがAちゃんにプレゼントって昨日言うてた 」

『 のんちゃん？ 』

「 うん。Aちゃん寝てたから置いてきたって 」

『 そうなんだ……ありがとう言ってない 』

「 じゃあさ、もう少し時間がたったらお礼言いに行こか 」

『 起こしちゃってもいいの？ 』

「 ええよ。そのついでにみんな起こそう 」

『 みんな？ 』

「 うん。みんな嬉しいと思うで！ 」

『 わかった！ 』


そう言って笑うAちゃん。


この可愛らしい声と笑顔で起こされるなんて、みんな幸せやな。




淳太とか凄い勢いで起きるんちゃう？笑





まあ、俺もAちゃんに起こされたかったけど。



この時間、独り占めできてるからな。



もう少し、このゆったりした時間楽しもう。

おはようのぎゅー→←すやすや

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す