第5話 ページ6
あの後、夕餉を済ませたあと、お風呂に入り、寝る準備と言っても寝たフリだが…時が過ぎるのを待っているとようやく朝日が見えてきた。
ぐーーっと背伸びをしてドアを開けるとちょうど目の前にシナ先生と土井先生が立っていた。
シナ「おはようございます。天女様」
シナ先生は感情を出さず挨拶した。今のところ天井裏には監視がいないようだ。
シナ「朝餉をお持ちしました。」
Aはお盆に目を通すと茶碗の中の違和感に気づいた。
毒ねぇ…いい度胸してるじゃない
『ありがとうございます。シナ先生』
笑みを浮かべ朝餉を受け取る。受け取ったことに安心したのか口角が上がってる。忍者ってこんな簡単に感情出すものなのね。
まず最初に鮭から食べる。ご丁寧に魚にはありえないほどの骨が入っていた。ご飯も冷たい。冷奴は普通だったが、問題は大根の味噌汁だ。毒が入ってる。こういうのは忍者らしいのね。
私が汁を飲もうと口につけると、横でゴクッと喉のなる音がした。躊躇せず飲むと案の定、毒の苦い味、飲み込んだ瞬間呼吸が苦しくなった。
『ガハッ……カヒュ………』
ベチャッと床に赤い血が広まった。
床に手をつくと、頭上に影がかかった。顔を上げるとクナイを振り下げようとするシナ先生の姿が…
シナ「死んで…!!」
・
静寂の中にポトッと言う音がした。床にクナイが転がったのだ。
シナ「ガハッ…!!」
『どうしてご飯を食べただけで血が出るのかしら……ねぇ、シナ先生?』
シナ「な、なんで……」
Aは片手でクナイを持っていた手を握り、もう片方の手で首を掴んだ。しかし、彼女は人間じゃない。
忍者とはいえ、鬼である彼女の力には叶わない。そして、鬼があるで故、藤の花以外の毒は通用しない。
バン!!
急に戸が開いた音がした。
そこには殺気を放つ土井先生の姿が……
土井「本性を出したな天女…!!!!」
シナ「土井先生……に、逃げて…」
パッと手を離すとシナ先生は咳き込んだ。
土井「何が目的だ!!天女「逃げて!!!」…!シナ先生…!」
天女…Aに怒鳴っていた土井先生にシナ先生は強く「逃げて」と言った。しかし、天女と同じ空間におけないと、土井先生はシナ先生を抱き上げ消えた。
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15055 tts(プロフ) - 初コメ失礼します。この小説面白いですね。続きが気になりますがお体に気をつけて更新してください。(語彙力がなくてすみません!💦) (2023年2月9日 16時) (レス) id: e7f97b0761 (このIDを非表示/違反報告)
リリカ(プロフ) - とても面白かったです!続き楽しみにしてます! (2022年12月14日 3時) (レス) id: bf4c23fbe9 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年11月3日 15時) (レス) @page10 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
マネキンの子(プロフ) - 面白くて一気見しました!更新頑張ってください! (2022年10月31日 16時) (レス) id: e8cf16b770 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - まあそれ以前に、人を生きたまま喰う元人間の人食い鬼だとバレたら、即学園総掛かりで殺りに来るでしょう。まあまず無駄でしょうが。鬼の力が健在ならば、あの帯の力を使えば、学園の皆等瞬殺ですから。 (2022年10月16日 21時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:&マカロン | 作成日時:2022年9月24日 12時