あまね様 ページ15
それから四日後、産屋敷邸では緊急柱合会議が開かれた。
「あーあァ、羨ましいことだぜぇ。何で俺は上弦に遭遇しないのかねえ」
不死川はため息をついてぼやいた。
「こればかりはな、遭わない者はとんとない。甘露寺と時透、A。その後体の方はどうだ」
「あっ、うん。ありがとう、随分良くなったよ」
「僕も……。まだ本調子じゃないですけど……」
「僕はもう大丈夫だよお」
伊黒に尋ねられ、三人はそれぞれ体調の様子を答えた。
「これ以上柱が欠ければ鬼殺隊が危うい……。死なずに上弦二体を倒したのは尊いことだ」
悲鳴嶼は涙を流した。
「今回の三人ですが、傷の治りが異常に早い。何があったんですか?」
「……その件も含めてお館様からお話があるだろう」
その時襖が開き、部屋に和服に身を包んだ女性が入ってきた。後ろには輝利哉とかなたがついている。
「大変お待たせ致しました。本日の柱合会議、産屋敷耀哉の代理を、産屋敷あまねが務めさせていただきます」
三人は正座をして頭を下げた。
「そして当主の耀哉が病状の悪化により今後皆様の前へ出る事が不可能となった旨、心よりお詫び申し上げます」
あまねの言葉に、十人は一斉に頭を下げた。
「承知……。お館様が一日でも長くその命の灯火燃やしてくださることを祈り申し上げる……。あまね様もお心強く持たれますよう……」
悲鳴嶼が柱を代表して挨拶をした。
あまねは、禰豆子が太陽を克服したことにより、鬼無辻は彼女を狙ってくるだろうということ。そしてA、時透、甘露寺に痣が出現したときの条件を話してほしいということを話した。
痣は戦国時代、始まりの呼吸の剣士達に出現していたもので、“痣の者が一人現れると、共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる”という文言が残されているらしい。
この世代で初めて痣が出現したのは炭治郎。しかし彼から聞き出せたのは要領を得ない説明であり、ひとまず置いておいた。柱の三人が覚醒したということで、そのときの状況説明を求められた。
まずは甘露寺が説明を始めた。
「あの時はですね、確かに凄く体が軽かったです!えーっと、えーっと。
ぐあああ〜ってきました!グッてしてぐあーって!心臓とかがばくんばくんして、耳もキーンって、メキメキメキィッて!」
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作者名:ほんわか若頭 | 作成日時:2021年2月10日 12時