【東方】ずっとずっと…。【フランドール】

8話 ページ9

ふわふわと頭が撫でられる……この感覚は、大好きで愛しい貴方の感覚。





「A……？」




目の前にいるAは若くてまだフランと遊べていたころのA。でも、下半身からが透けてなくなっていた。




「妹様…？」



皆には見えてない、私にしか見えてないみたいだ。



「Aっ！！生きてよ！！フランまだなにも返せてない！！！」


泣きながらそう訴えても、Aは困ったような笑顔を浮かべるだけだった。



『……フラン様。私は、今死ぬことに後悔はありません。それにフラン様からはたくさんの恩返しをもらいましたよ？』



「…嘘、フランはなにもできてないもん…。」



するとAはふっと私を抱き締めた。




『いいえ、フラン様からはたくさんの思い出をもらいました。我が儘をいうならば……私を、笑顔で見送ってもらえませんか？』



フラン様の笑顔が大好きです、と告げるAに、また涙があふれそうになる。




ぐっと涙をこらえて、フランなりの精一杯の笑顔でAにお別れをいった。




「A……今まで、ありがとうねっ！！」




それだけいうと、Aの姿はフランの前から消えた。






笑顔でお見送りできたよ？フラン偉いかな？




涙線を緩めると、涙がぶわっと溢れ出す。






ありがとう、今までありがとう。


フランは貴方にあえて幸せでした。





愛していました、A。

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