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上「どうと言われましても…まぁいいんじゃないでしょうか?」
『そ。
ならこれにけってーい』
上「そんな適当に決めていいのか!?」
適当に返事したのかーい
まぁそれでも私はそれに既に決めてしまった。
というかもう他にお店を回りたくない
なんかどれもピンも来なくて歩き回って疲れちゃったよ〜
上「そういえば、もしどこかで会ったら言おうと思ったんだけど
あの後病院に運んでくれたのってAさんなんだってな、ありがとう」
『んー?いいよ
ちょうど医者に知り合いもいたし
…それに、お礼を言わないといけないのはこっちの方だしね』
上「え、なんで??」
キョトンとする上条君
素直でピュアで熱血ボーイにはどうやらアイツの闇は見えていなかったみたいだ
『べっつにぃ〜
わっかんねェならいーや』
上「え、なにそれ!
ていうかアンタそんなキャラだったの!?」
急におちゃらけるからか妙なツッコミを入れる彼
そういえばそうだった
あの時はバイト中ってのもあったししおらしくしてた私しか見たことない
『私は結構てきとうな人間だよ』
上「う…なんかこう、酷く騙されたような感じが…」
『あはは、勝手に幻想持ったのはそっちじゃん?』
丁寧な言葉も、ただのよそ行きでしかない
宣伝ガールが口悪いってダメじゃん?
ケラケラと笑っていると
急に彼は真剣な顔をしだした
上「あと、もう一つ
聞きたいことがあったんだ」
『ん?なになに?』
やたら真っ直ぐな瞳に
変わらずに笑って返す
けどすぐに彼から言われた言葉に
私は笑うのをピタリ、とやめることになった
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年7月11日 20時