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「おせェよ見舞いにくンのが」

『あはは…面会謝絶って言葉知ってるかな?』




なにこの患者

すんごい憎まれ口満載なんですけど!




ベッドの横のパイプ椅子に座ると
彼もまた上体を起こして枕に寄りかかった




…病院のパジャマ似合わない選手権ナンバーワンだな。





『…あのっアンタにはなんてお礼言ったらいいか、わかんないんだけど。。』

「はァ?礼だァ?何気色わりィこと言ってンだのおめェはよォ」

『気色悪いって酷くない?』

「だいたいお前は無事だったンだから、それでいーじゃねェか」




…いやいやいや、よくないだろう


アンタあのままじゃ死んじゃってたかもしれないんだぞ!?



こんなんただの、かすり傷だって。
そんなこと言い出しちゃう始末で、この男はほんっっっっとうに!!




『よくないよ
アンタが怪我したら全然よくないんだって』

「お前がこうなるよりマシだろォ」

『だから!
…って、その首についてるの何?暴れん坊防止の首輪?』

「あァ…」




ふと気がつくと一方通行の首には見慣れないものが着いていた

アクセサリーとかそんなのとは違い
何かこう…デジタルな。通信機みたいな。




「これがねェと、まともに話すことも歩くこともできねェらしい
MNWの繋がっててこれ使って言語機能と計算能力を補うンだと」



…………は?



平然と言ってのける一方通行は
本当にどうしようもない。


何よ、それ。




計算能力って…
それってつまりアレじゃん、ストレートに能力ってことじゃん



「ってお前から聞いといて、何シカト、!?」



…どうしてそんな事になったんだ?

私は、コイツになんてもの背負わせてしまったんだ?





「お前何泣いてンだよ!?」

『…泣いて、ちが…だって私…ごめ、』





涙が流れている事にも気づかなかった



あの時私が弾丸を受けてれば一方通行はこんな事にならなかったはずだ

そもそも天井をちゃんと…処理しておけばこんな事に…




ごめんなんて言葉じゃ足りない。


私は私の手で、一方通行を傷つけてしまったんだ





次の瞬間ぐいっと体が引っ張られる




そのまま彼の腕の中に頭がすっぽりと収まって体温と、トクトクとなる心音が耳に入ってきた

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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年7月11日 20時

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