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天「くっ…よ、し…かわぁ…」
震える腕でなんとか体勢を整えて
座り込んだ天井に芳川と言う女は
ただゆっくりと近づいてった
お互いに拳銃を片手に
それを突きつけ合う形になるのを
ぼんやりと見ていた。
芳川が、道ずれに自分を選べというのに
天井はうっすらと笑っているように見えた
なんて強い人なんだろうって
私はただそれを眺めることしかできない
止めてやる義理も思い当たらない。
それよりも今は腕の中の一方通行が心配でしょうがなかった…
.
.
.
カエル顔の医者がのぞき込む
一定のリズムでなり続ける機械に
腕には点滴の針が刺されていた
芳「私、生き残ったのね…」
冥「当たり前さね〜誰が執刀したと思ってるんだ?」
芳川含め一方通行、打ち止めは
あの後病院へ運ばれていた
冥「礼ならあの子にいってあげなよ
本来なら君は即死だった」
冥土帰しの説明を虚ろな目で芳川は聞いている
どうやら天井に撃たれた時に芳川に能力を
一方通行は使っていたらしい
芳「…ここに女の子が一緒に来た?」
冥「ん?精力統合のことかな?
彼女がねぇ電話を寄こしたんだ患者を3名連れていくから絶対に助けてやって欲しいってね」
芳「精力統合…あの子が…」
そう、と呟いた芳川に
冥土帰しは治療中の患者の元へいくと去っていく
誰もいなくなった病室で、芳川はただ
“あの子があの、”と、呟いていた
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年7月11日 20時