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人格データの入ったタブが割れる音がする
ギョッとそいつを見ると
真剣な顔で打ち止めの額に手を当てた一方通行
え、いや、まじ…?
あんな長ったるいコード覚えちゃったっての?
さすがに、リスクを上げすぎじゃなかろうか?この男は…
その絶対的な自信はどこから来るのか今度聞いてみようと思う。
一「行くぜェ…」
それにコクリと頷いて私もまた自分のやるべき事に集中した
しばらく沈黙が続く
打ち止めの荒い呼吸と、機械音だけがやけに耳に残る
次第に液晶の警告がひとつ、またひとつと消えて順調にウイルスコードが消えていくのがわかった
不覚にも、一方通行の真剣な顔に見惚れてしまう。
彼がそれほどまでにこの子を救いたいって言うのが純粋にわかった。
胸がいっぱいな程苦しくて
嬉しくて嬉しくてたまらない
あんなにも人を拒み孤独に過ごしていた少年が
人を傷つけることしか出来なかった彼が
自分の能力を恨んだこともあったかもしれない
けど、それを今度は助ける為に使っている
残りのウイルスもあと少し
ねぇ、一方通行
…アンタほんっとに、最強だよ。
最強に最高にかっこいいよ…
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年7月11日 20時