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携帯を投げ捨てた彼は、その人格データとやらを起動して
コードに目を通していく



それを横目に私も、打ち止めへとエネルギーを送っていった




さすがに、ウイルスがどうにかなろうが、ならなろうが身体が弱り過ぎている



一「何してやがンだ?」

『この子の生命エネルギーを流してる
必要な情報は持ってるからアンタは自分の事に集中して』




残念なことに、一方通行程の演算力は私にはない

彼に勝っているのは、生き物にたいして必要な情報量くらいだ。



打ち止めの小さな手に限りなく人間に近いクローン体の必要エネルギーを流し込む。


死なせやしない。
そうする理由が私にはあった





.






.






.






「君の能力はまさに精力統合だ
君のお陰で、長年研究してきたクローン実験がようやく完成したよ」

『…クローン?』

「そう。
君が言ってたエネルギー構築でね、人と同じ生き物を作ったんだよ」




大人達の言葉は小難しくてよくわからない。



当時私は、特力研で実験の中枢を担っていた



その中にクローンを量産し、モルモットとして扱う為に
私の脳は日々演算を繰り返すコンピューターとして扱われた。




私の能力を更に増やすために


研究所達は来る日も来る日も、クローンを造っては実験を繰り返していた

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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年7月11日 20時

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