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『そう言えばさー』
「あ?」
やっと解放してもらった頭は
まだズキズキと痛い
この細腕め、意外にも力はあるようだ
仕返しと言わんばかりに
私は昨日からの疑問を彼に問いかけてみる事にした
『私がLEVEL4だってことよく知ってたね?』
そうなのだ。
昨夜の戦いででしゃばった私を
コイツは三下と罵ってくれやがった
能力名は一度だけ教えている。
それでもどんな能力かは研究所に居た時以来話したことはなかった
無論、レベルも同じ。
適当に言ったにしたらあまりにも当てずっぽうなわけで…
「…」
『ねぇ、なんで?』
ぐいぐいと腕に捕まって顔を近づけてみる
「…ンなもン、___に決まってンだろ」
『へ?』
「っ〜〜っ!調べたからに決まってンだろっつったんだよ!」
なにやら。顔を赤くして視線をそらす一方通行
…調べた?私のこと?
6年間一度もあっていなかった
私は環境柄、一方通行の事は耳にしていたけど
…このマイペースのめんどくさがり屋の孤独を選んだコイツが?
「…探してたンだよ、ずっと、前からな」
ぽふっと頭が胸元に寄りかかって
真っ白なやわらかい毛が揺れてる
そっか。
私、ほんとやる事が遅いや
…そりゃバンクを調べたところで見つかるはず無いよね
高校も行ってないから制服なんて着る機会ないし
中学もまた研究施設絡み
居場所特定までは繋がらなかったんだろうなぁ
『ごめんね、一方通行』
「あーもォ別にいいけど」
やわらかくて暖かい頭を抱きしめる
あの時感じた温もりと何一つ変わってなんかなくて
私はどうしようもないくらい胸があったかくなった
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作者名:弦一郎 | 作成日時:2019年7月11日 20時