INIの紅一点は最年長です 2 (ページ5)

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階段にページ5

Aside

最後に挨拶をしながら戻ったけど、その時点で
視界はぐるぐる回っていて、限界状態。

A「ひろ……」

横で歩くスピードを合わせてくれていた洸人の腕を掴む。

洸人「歩けそう？」

私は首を横に振った。

洸人「じゃあこれで我慢してな」

そうして洸人は私を軽々とおんぶした。

あまりの安心感と楽さが心地よかった。

みんなが一足先に戻った楽屋の1歩手前まで来た。

A「あ、おろして、」

洸人「はぁ、？歩けそうにないのに？」

A「楽屋ちょっと頭に響きそうだから、」

そういうと、洸人は納得した様子でおろしてくれた。

洸人「でもまた出なきゃだろ？」

A「そうだけど…その間だけでも」

洸人「わーったよ」

そうして、洸人はまたさっきの自販機の近くの階段まで連れて行ってくれた。

A「私……ミスってた、？」

洸人「全然ミスってない。アドレナリン？」

A「いや、ずっとぐるぐるだった」

洸人「おつかれ。」

少し涼しいくらいのこの場所は、パフォーマンスを終えた私たちにはちょうど良かった。

洸人「やっとお世話係できたわ笑」

そういえば肝試しの時にそんなこともあったっけ。

A「今日は洸人が私のお世話係だね」

洸人「あ、そろそろ行かないと、…行ける？」

A「うん、頑張る、」

まだフラついてはいたけど、1人で歩けるようにはなった。

そうして何とか全てのアーティストさんたちの
パフォーマンスが終わって、再び楽屋へ戻った。

スタッフ「衣装着替えてくださーい」

INI「はい！」

そうして個々で衣装を着替えて、またさっきの階段に。

マシになったとはいえ、頭に響くものは響く。

A「ふぅ……」

もう一度水を買って口に含む。

衣装じゃなくて、普段着だから締め付けがなくて楽。

洸人「おーい一人で行くなよ」

ぱっと顔を上げると、洸人がいた。

A「なんで、？」

洸人「倒れてんのかもしんねーじゃん？」

そう言って洸人は私の横に座る。

A「だってひろ疲れてるかもじゃん」

洸人「んなことメンバーが体調悪いのに疲れましたー無理ですーなんて言うわけないだろ笑」

洸人「ま、ちょっと休めよ」

そう言った洸人の肩に私は頭を預けた。