INIの紅一点は最年長です 2 (ページ36)

今日:29 hit、昨日:60 hit、合計:52,347 hit

君のおかげでページ36

Aside

A「京ちゃんさ、私がやめたらどうなると思う？」

俯きかけた顔をパッとあげた京ちゃん。

京介「どうもこうもないでしょ、俺はずっと12人でやってきたし、誰かが欠けたらなんて思いもしないし、」

京ちゃんらしいなと思った。

A「……明日の公演出れるかなぁ、笑」

自分でもわかるくらいネガティブなことを言ってる。

京介「出なくてもいいよ」

京介「俺は別に、もとちゃんが壊れなければ、公演休んだっていい」

京ちゃんの言葉は一つ一つ力が籠っていて、知らない間にさすがメインボーカルだなーとか考えてた。

A「そっかー、まぁ出るけどさ笑
嫌じゃない？京ちゃん自身も」

京介「何が…？」

A「いや、なんでもないや、」

京介「何、気になるじゃん」

言いたいことはたくさんあった。

京ちゃんだってめっちゃ自信もてるタイプじゃないと思うし、私のせいで京ちゃんが下げられたりしたら嫌でしょ？

そう言うと、どうせ強がって「そんなことなるわけない」って言うと思ったから、やめておいた。

A「明日ほんとにちゃんと最後まで頑張るから、」

京介「うん、」

A「頑張るから…」

たくさん言いたいことはあるけど、明日本当に最後まで頑張れるか不安でたまらない。

京介「大丈夫、ゆっくりでいーよ」

A「なんかあったらさ、ほんとにうちわやめてとか言ってくれる？」

パッと顔をあげると、京ちゃんの優しい顔が目に入る。

京介「当たり前じゃん。俺のことなめてる？」

A「怒牧だね笑」

そう言うと、優しくおでこにデコピンをされた。

京介「早く寝なよね、明日は俺がちゃんともとちゃんのこと見るから」

A「ありがとうね、本当に」

京ちゃんが帰ったのを確認して今度こそ鍵を閉めた。

京ちゃん、普段から何気なく気にしてくれてるんだな。

そろそろ瞼が重くなるのを感じる。やっと眠れるんだ。

ずっとよく眠れていなかったから、少し嬉しい。

そんなことを考えていると、いつの間にか眠ってしまっていた。