INIの紅一点は最年長です 2 (ページ30)

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初めて聞いたページ30

迅side

Aちゃんが楽屋に戻ってきた時、ありえないくらい
明るかった。

たくさん酷いことを言われてることも知ってたし、ペンライトとか声援とかも色々あったのに。

それを感じさせないくらい明るく振舞っていて、見ている俺が辛くなってくる。

俺も声かけようかと思ったけど、みんなが空気を呼んで
洸人くんだけ残して楽屋を出た。

出たと言っても行くところはないから楽屋の前で待機。

そこはごめんね、Aちゃん。

すると、洸人くんとAちゃんの会話が聞こえてきて、その後にAちゃんの本音がポロポロと聞こえてくる。

聞くに絶えないくらいAちゃんは抱え込んでいて、聞いてるだけの俺の手先が震えている。

辛いのはAちゃんなのに、なんで聞いているだけの俺が…。

A「ぜんっぜん大丈夫じゃない！！」

そう聞こえてAちゃんの泣いている声が静かに響いていた。

そこからはあんまり何を話しているのかは聞こえなくて、
ボソボソとした話し声が聞こえた。

いつもいい意味で何も気にしていないような、元気なAちゃんだった。

けど、それは建前で全部を真正面から受け止めてしまう
繊細なメンバーだった。

Aちゃんの悲痛な心の叫びは、ずっと俺の中で
リピートされていて、

Aちゃんの苦しくて、悲しそうな声が頭から離れなかった。