INIの紅一点は最年長です 2 (ページ29)

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いざ聞くとページ29

洸人side

必死に本当の本音を話すAはとんでもなく苦しそうで、悲しそうだった。

全てを言い終わったあとも、どこか我慢しているような、何かをもう悟ってしまったような表情をしていた。

得意分野のものの自信もなくして、ファンも少しずつ減ってしまっていって、差別されて。

俺だったら今すぐにでも逃げ出したいと思ってしまったものを、Aは必死に耐えてきていた。

最近大夢と気がついたAのスタイルも、全部が
リンクしていたことがわかった。

ただ、もう少し引き締めたいのかなとかそんな簡単な理由じゃなかった。

それに気づけなかった俺がすごく情けない。

A「…バカにして笑ってよ、」

それでも尚肩で息をしながら話すA。

涙がポロポロとこぼれていて、このまま消えてしまうんじゃないかってくらい俺には小さく、怯えているように見えた。

それをどうしても繋ぎとめたくて、強くAを抱きしめる。

A「ひろ、と、？」

洸人「気づけなくてごめん、本当に……ごめん、」

A「洸人のせいじゃないでしょ、」

洸人「知ってたよ俺、Aがどんどん痩せてってるの」

洸人「でも結局スタッフさんには衣装指定されたんでしょ？」

そう、Aはあまりにも痩せすぎとスタッフさんに言われてしまって、お腹出したりが出来なかった。

A「なんで…知ってんの、」

洸人「たまたま聞こえた」

まだ俺の腕の中にいるAは静かに震えて、涙を流していた。

今さっきまでMINIの人たちの前でも、他のメンバーの前でも涙を流していなかったAが、今ここで泣いている。

洸人「俺は……何があってもAの味方だから」

今の俺にはそう言葉をかけるしかなかった。