INIの紅一点は最年長です 2 (ページ25)

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Aside

見えてしまった。

「AINI辞めろ」とか「Aいらない笑」

とか、心無い言葉のうちわが見えちゃった。

見たくもないのに、何故か他のファンサうちわじゃなくて、そんな感じのうちわが目に入ってしまう。

そんな気持ちを誤魔化すように、私を応援してくれる人達にファンサービスをした。

そして、何だかんだモヤモヤした気持ちを抱えながら
パフォーマンスをし続け、最後に一言言う場面になった。

またペンライトを降ろされたらどうしよう。

また歓声が無くなっちゃったらどうしよう。

そんな時に、今まで何も食べてなかったからか、一気に目眩や頭痛が襲ってくる。

それでも何か言わなくちゃいけないし、順番はどんどん近づいてくる。

柾哉「じゃあ次A」

いくらフラフラしても、ペンライトを降ろされても、前は見なきゃいけない。

意を決して前を向いた。

A「っ……」

目の前には、少なめのペンライトに、少なめの歓声。

心無い言葉が書いてあるうちわの方が多いんじゃないかってくらいのうちわの量。

……私こんなに嫌われてたんだ。

手、足、声が震える。頭も真っ白。

でも、何か言わなくちゃ。

A「はい、今日は来て下さりありがとうございます。MINIのみなさんに不快な思いをさせてしまって本当にごめんなさい。」

A「私自身、みんなよりもダンスの実力が低く、どこか浮いてしまっていることも、

私の歌声がみんなの歌声を邪魔してしまったことがあることも、

私のハモリも、雑音に聞こえてしまっていることも、

そして、私だけ他のみんなと違うところがあるのも……

全部理解しているつもりです。」

自分で言ってるのに悲しくなってくる。

A「でも、私は負けません。

私をよく思わない人も、私の虜になってもらえるように、必死に努力します。

明るいお話じゃなくてごめんなさい！

また会いましょう。愛してます！。」

私が最後で、その後最後のあいさつをして本当に終わりを迎えた。