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何故か生きることに飽きた。
親は僕を置いて行った旅行先の事故で死んだ。ざまぁって思ったね。お前等みたいなグズにはお似合いな結末だって葬式で笑ってやった。
確かに学校では友達もいるし告白というものをされた。信用できるヒョンも居た。それでも何故か病んだのだ。もう疲れた。全てに。ただただ死にたい思いで深夜に駅まで歩いた。
終電。人も余り居ない状態。死ぬんだったら大勢の前で血まみれになってやろうかと思ったけれど、そうなるとどうせ僕は見せもんになる。僕が今からやることはそういうもんだった。
だったら静かに死んだ方がマシか、と。
はー、っと一つ溜息を吐いて 白い息を見つめた。あ、電車来た。出来れば生まれ変わりたくねえな。死んだらどうなんだろ。段々近付いてきた電車を見ては何故か笑えてきた。言っちゃえば死の恐怖というものがあった。痛いのは嫌だからさっさと死にてえ。
ふらっと足の力を抜いて前に体重をかける。
『ま、って』
「…、は？」
手首から伝わる温かい体温。振り向くと明らかに酔っ払ったスーツの女の人だった。
ふらふらとした足取りで僕の手を取ってはいきなり泣き出すので焦った。情緒不安定なのかよって。降りてきた人達は僕達を少し見るとなんだこいつ等みたいな感じで帰って行く。
いつの間にか人も僕達二人だけになっていた。
『し、死ぬんだったら一緒に死にましょうよぉおお''お''っ！！！！』
「…は？」
『じょ、上司がうざくて…今日もっ、理不尽に仕事押し付けられてぇええ''ッ…！！』
…死ぬ気なくなってきた。
前でボロボロと泣き崩れる女の人を駅から引きずり出して道路へと出た。コンビニの明かりだけが目立つ暗い夜。まだ僕の横で文句を口にしながら泣く女に何故か笑えてきた。
馬鹿なのか。単純というべきか。
世間とは狭いものだ。こんなに近くの人間が、ブラック会社に勤めて、たった今僕の自 殺 を止めたのだ。初めてこの世界が面白いと思った。
「…家どこ。連れて行くよ」
『うぅっ、…本当ですかあ''…あっち、あっちです…』
あぁ、救われたのかも。
こんな夜遅くまで仕事させられて。危ないじゃん。僕が守ってあげなきゃ、という使命感があった。次の日もそのまた次の日も。僕は深夜に家を出てはスーツ姿の背を見つめた。
変な男が近づかないように。
俺が、守ってあげなきゃ、と。
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たまのんち - ジンさんメインのお話書いて欲しいです…。いきなりすいません！いつきさんの作品大好きです、ファイティン！ (2019年7月23日 9時) (
レス) id: 11b0bd599c (このIDを非表示/違反報告)
ユ ウ(プロフ) - 今回も人間味深い話でした。。次回ジミンちゃんの恋が実る話を期待しても良いですか…？ (2019年7月14日 23時) (レス) id: 0fa0ce548c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(かなりのグクテテユンギペン) - もう最＆高しか言いようがない！です！ (2019年7月6日 21時) (レス) id: 60bba2aec4 (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです！その後とか見たいです！これからも頑張ってください！応援しています！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
バブみ。(プロフ) - この物語大好きです！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: 3a95b17b6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いつき
x他2人 | 作成日時：2019年2月11日 12時
