魔作 ページ30
〜 side ロンジュン 〜
正直驚かされている。
確かにミュージカルが好きで出演経験もあると言っていたのは覚えてる。鮮明に覚えてる。
だけどバレエまで出来るなんて聞いてなくて、踊りながら歌う姿に目が釘付けになりそうで必死に頭の思考回路を別に向ける。
JM「さっきからロンたんはどこ見てるんですか〜」
HC「ですか〜」
RJ「あ？」
JN「Aを見てたの？」
RJ「…チッ」
図星でしかない。いや、お前等も見てただろ？なんて言い返せる余裕がないくらいに目の前で歌いながら舞う彼女に目が釘付けなんだ。なんて綺麗な表情を浮かべながら彼女は踊るんだろう。
HC「綺麗だな」
そういうヘチャニの顔は極めて真剣で、心の本音が思わず出てしまったくらいの呟きだったけれど俺の耳はしっかりと受け取っていた。
RJ「…あぁ、綺麗だ」
CL『ヌナ消えちゃいそう』
RJ『細いからじゃなく、だろ？』
CL『うん、そうじゃない』
黒い練習着はいつも着ている物と同じで、なんなら髪型も何もかもが同じなのに彼女の表情が、動きが、靴が床に擦れる音がここを別世界のように感じさせる。
JM「A綺麗だったよ」
「本当？」
JN「うん、上手だね」
帰りのバンの中で最近あいつの両サイドをジェミナとジェノに取られてばかりの俺は少し肩身が狭い。あいつの中で俺が小さくなってしまわないかと不安になるなんて男らしくないけど、Aは野良猫みたいな性格だから有り得なくもない。
「ロンジュナ？」
宿舎に着くと127の方からわざわざドリームの宿舎に来て、俺の部屋にそっと入って来るAの膝には今日の練習中に出来た痣があって、手の平も腫れていた。
RJ「どうした？」
「んーん、ただ…お休みって言いに来たの」
RJ「わざわざそれだけを言いに来たって？」
「うん」
RJ「そっか、お休み。ゆっくり寝ろよ」
「ロンジュナもね、お休み」
本当に夜の挨拶だけだったのか悲しい顔もせずアッサリ俺の部屋から去った彼女を見て俺の枕が濡れて行く。
誰かの為に流す涙が水溜りになって僕を溺れさせる
人の波に揉まれてしまえばラクになれるのに
抗おうとするのは
僕がまだ君を探しているから
まだ1人で泣くには早いだろ
まだ君は僕の君だろ
彼女の作り出す世界は地獄か、天国か。
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ゆま - はじめまして。前作も読ませていただき、続きが気になっていたところこちらの作品にたどり着き、作者様の作品から続きを拝見させて頂きました！あのあと続編などは無さそうですか？？nctを去ったあとのお話も気になります＾＾こちらの更新も楽しみにしてます。 (2020年4月25日 8時) (
レス) id: 78f4b32069 (このIDを非表示/違反報告)
バビロンの王女(プロフ) - ヨリ様 コメントありがとうございます。前作とはまた違ったお話にして行く気なのですが、その辺り自分の中でも構想がグチャグチャなので進めながら調節して行く気です。末長く見て頂けると有り難いです。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: a4ec8b23ee (このIDを非表示/違反報告)
バビロンの王女(プロフ) - ウメ様 コメントありがとうございます。少し落ち着いたら再び始めますので宜しくお願い致します。 (2020年1月5日 14時) (レス) id: a4ec8b23ee (このIDを非表示/違反報告)
ヨリ(プロフ) - こんにちは！前作読ませていただきました！前作同様のストーリーでお話はもうお書きにならないでふか？？泣 (2020年1月5日 0時) (レス) id: 9e391a92de (このIDを非表示/違反報告)
ウメ - 初めまして。とても楽しく読ませていただいております。続き楽しみです。 (2019年11月21日 16時) (レス) id: 4f64cb2c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：heram | 作成日時：2019年7月25日 2時
