窓際から見た景色 (ページ4)

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四方八方ページ4

～ side マーク～

着いたクラスは既に盛り上がっていたのに俺達が入ると男女揃ってシンっと静まり返るから居心地悪くなる。だけどジョンウとルーカスはそんな事もお構いなく自分の席にカバンを置くと俺とAの隣合わせの席に来るんだから慣れてる。そんな中でも俺以上に居心地悪そうに下を向いてるA本人は知らない。自分の容姿が人より目立っていて、自分が高嶺の花だと言う事を。

JW「Aガチガチだね」

「うるさい」

LU「HEYボーイ達！仲良くしよーぜ！！」

「何、あいつは男をナンパしてるの？」

MK「…無きにしも非ず」

JW「ルーカス、男色家とか言われてるよ」

LU「ワッツ！！？？」

クラスの男女から湧き上がる笑い声にもAは少し肩を揺らす。そんなに怖がらなくても…って思うけれど仕方がないんだと思う。

中学の頃、部活動だけは被らなかったAは吹奏楽に所属していて女子達に毎日罵声を浴びせられていたり、容姿を笑われていたらしい。それが妬みから来る嫉妬だと知らない本人は集団行動している同年代を見ると避けるようになった。

「またマークと席が隣で良かった」

JW「出席番号順って嫌い」

LU「Aと隣になった事ないなぁ」

「ルーカスとは有り得ないね」

MK「ほら、2人共戻りなって」

朝の会では、まずクラス1人1人が出席番号順に軽い自己紹介をしていく流れで、勿論ルーカスの自己紹介はクラス中の歓声と笑い声で包まれるものだった。残念な事に先生はこの理系な学校に似合わずの熱血系な男の先生で話は長いし言ってる事が的を得てなくて瞼が重たくなる。

MK「あれ、弁当は？」

「学食デビューしてみたくて」

JW「可愛いから僕も一緒に並ぶ」

MK「意味が分からない」

LU「早く～ヒョンから連絡ずーっと来てるんだぜえ」

「朝の人？」

LU「イエス！凄え面白くてダンスが上手い先輩！」

俺の隣を歩くAは前を歩く長身美形2人が視線を集めている事が相当嫌だったのか少しずつ歩調を緩めて2人と距離を取りながら歩いた。ルーカスに肩を組まれてるジョンウはこちらを横目で気にしながらもスタスタと歩くから彼女に合わせて俺が歩けばそれが伝わって嬉しかったのか俺を見上げて言うんだ。

「マークは私のヒーローだね」

普段は大人な雰囲気を醸し出しているのに目尻をヘニャリと下げて笑うところとか、左の頬にだけ出来るエクボとか、全部が全部ズルイ。

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