牡牛座 ページ25
〜 side ドヨン 〜
その日からユニット毎の練習にAも加わった。本人的にも俺達的にも1番の壁なのが体格の差だ。
確かにAはダンス未経験にも関わらず人の視線を集められる、人を魅せるダンスが出来る実力者だ。
それでも俺達との体格差の所為か、彼女の振り１つ１つが小さく迫力のないものに見える。
テヨニヒョンは何度もAへアドバイスしていて、テンだってしていた。それでも彼女はまだまだ小さいし、限界がそこにある。
MK「A、1回休憩しよ？」
「あ、うん」
皆が休憩していても練習し続けるAを見兼ねてマークが声をかければ、まるでそれまで無意識に練習していたみたいにハッとして練習をやめた彼女。
正直なところ身長は韓国人より小さいからこそ振りを大きく見せなきゃいけない。ユタヒョンはそんな彼女が今のうちに筋肉を付けてしまって更に身長が伸びない事を心配していたっけ…
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JH「A、歌の練習行こ」
「はい！」
今日の練習が終わると明日レコーディングらしいジェヒョナとAは最終確認をする為に別の練習室へ移動して行った。
最近ジェヒョナがAの名前を出しては嬉しそうに練習中や練習後の話をするからテヨニヒョンが釘を刺していたけれど、多分ジェヒョナの気持ちは違う気がする。勘だけど。
先に宿舎に帰って風呂に入ったりと各自がのんびり過ごしていると帰って来た2人。ジェヒョナはシャワーを済まして来たみたいだけれど、女の子に戻っても練習生に見られたらまずいからっとAは宿舎に帰るまで緊張の糸を張ったままだった。
確かに既に見られた人達には代表が手を回すと言っていたけれど、実際いつAの正体を明かして良いのかも分からない。
DY「おかえり」
JH「ただいまヒョン」
「ただいま」
ジェヒョナは疲れていたのか手を洗って水を飲むとそのまま部屋に入って行った。
Aは秒でシャワーを浴びると俺の座るソファに深く腰掛けて少し目を瞑った。相変わらず綺麗な顔をしてるな、なんて思ってしまう。
DY「眠い？」
「んーん、やらなきゃいけない事あるんです」
DY「眠いんだな」
「頭撫でられたら寝ちゃう」
DY「早く寝て、早く起きな」
頭を撫でれば案外すぐに寝息が聞こえて来るから驚かされた。
ソファで寝かせる訳にも行かないから、想像以上に軽い身体を抱き上げると俺のベッドに寝かせた。
DY「無理すんなよ」
少しだけその寝顔を見ていても罪にはならないよな
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作者名：heram | 作成日時：2019年3月19日 9時
