堕天使 ページ19
〜 side ジェヒョン 〜
ある日呼び出された俺が入った部屋には何故かAも居て、俺が来る前からスタッフさん達と何かを話していたのか隣に座るとAの資料には沢山のメモが書かれていた。本当、馬鹿みたいに真面目だよな。
スタッフ「今日2人に来て貰ったのは、ドラマのプロデューサーと監督からOSTの依頼が来ててね？そこで代表が2人を推薦して選ばれたの」
JH「まだデビューもしてない俺達がですか？」
スタッフ「謙遜しなくて良いのよジェヒョン」
女性のスタッフさんに微笑みかけられながら頭を撫でられると嬉しい事なのに寒気がして背中が冷たくなった。
「僕もですか？」
スタッフ「はぁ…そう言ってるでしょう？」
ユソナが話すとあからさまに嫌そうに説明するあたり、子供には興味ないって事か。強めに言われても負けないのが我等がAなんだけどな、なんて俺が胸を張ってどうするんだ。
チラッと隣を見れば低い位置にあるAの大きな瞳が心配そうに俺を見上げていて、あぁ…この妹にはお見通しなんだな…。
JH「ありがとな」
部屋を出て周りにバレないようにお礼を言えばAはまた花が咲いたようにヘニャっと笑うんだ。
「ヒョンがあーゆー人を苦手なのは知ってましたから」
練習室に向かいながら話す彼女は俺より3つも下なのに年上みたいで、誰よりも大人に見える。きっと考え方が違うからだろう。
JH「今日は最後に2人で練習してから帰るか」
「わ、ヒョンと2人で帰るの初めて」
WN「あ、ジェヒョナ…あれ？ユソナも居る」
「見えてなかったんですか」
JH「俺達2人で歌う事になったんだ」
ちょうど韓国語授業が終わったスチョンの前で自慢気にAの肩を寄せればあからさまに疑った顔をするけど、本当なんだな〜これが。
WN「ジェヒョナ、ユソン離す」
JH「妬いてんのか」
WN「？？」
〈妬いてんのかって聞いてる〉
韓国語が分からないスチョンに代わって通訳してあげたAを見下ろすと普通そうな顔で中国語を話しているから驚かされる。スチョンの方が来韓は早かったのに…
JH「もう中国語覚えたの？」
「…スパルタ教師が居るので」
JH「そう言えば韓国語もいつの間にか上手くなってるし」
そう驚きながらも彼女を褒めればAはまた嬉しそうに笑う。
あぁ、こうやって兄を堕とさないでくれよ。
JH「可愛い」
「…やっぱりジェヒョニヒョンってウィンウィニヒョンの事……」
JH「違うから！」
WN「嫌いなの？」
JH「…」
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作者名：heram | 作成日時：2019年3月19日 9時
