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〜 side テヨン 〜
宿舎に帰れば皆居る事を確認して、今日Aと話して分かった事をユータが説明してくれた。何でユータが？って思ったけれど、本人曰く説明が下手くそ過ぎるらしい。
日本に居た時に事故に遭ってからご両親は即死、Aは記憶障害になり、脳へのショックが起こったりするとそれ以前の要所要所の記憶がなくなるらしい。
養護施設に入ってすぐにSMのスタッフがたまたま彼女を見つけて引き取ったものの、虐待の所為で今度は韓国の施設へ…でも代表が彼女の容姿と才能を買って連れ戻したと…。
TY「つまり親権は代表？」
YT 「って事やろな」
「ん〜、私もそこらへん良く分からないです」
RJ「…はぁ」
MK「そこは分かっておけよ」
「でもSMに連れて来てくれた人、違う人だった」
JH「アシスタントとか…スタッフさんかな」
TL「だからAは苗字を言わなかったんだね」
あぁ確かに…言われてみればこの子は名乗る時にAとしか言ってなかったな、なんて。ちゃんと見ておかなければいけないんだと再確認させられた。
JN「A」
「ジェノ〜」
JN「ん、おいで」
ソファーに座るジェノが呼べば遠慮も無く膝の上に乗るAは小さい女の子そのもので、心を許した人にはそんな風に甘えるんだななんて傍観者みたいになってしまった。
TY「A」
「ヒョン？」
TY「俺達もAを家族として接するから、だからAも…俺達にもっと頼って良いんだよ」
YT 「気持ちを伝えるのが難しくても、我慢するのをやめたらきっと自然と身体が反応するんや」
その短髪を撫でるとAの青白い頬にゆっくり涙が伝った。
「えっ…あ、え……なっに」
RJ「お前泣いてんの、今泣いてんだよ」
JM「初めて泣いた？」
「うっん…ふっぇ、ふ…うぅ」
声を押し殺して泣くその姿は幼くて、とめどなく流れる涙に戸惑いながらも目元を擦るからジェノがそれを止めさせた。気を利かせたドヨンが濡らしたタオルを持って来て目元を拭いてあげると、目尻を下げてヘニャリと笑うと "ありがとう" っと花が咲いたように笑った。
JN「大丈夫だよA」
ジェノがギュッと抱き締めれば、そのまま泣き続けたAは1時間もすればジェノの腕の中で眠ってしまった。
大丈夫だよ、新しい家族として一からやり直そう。
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作者名：heram | 作成日時：2019年3月19日 9時
