2 ページ2
〜 side ジェノ 〜
スタッフに連れられて新しくルーキーズに入って来た女の子はどうやら俺達と同い年らしく、仲良くしてやってくれと後押しまでされた。
2000年生まれの俺達は言わば思春期で、俺達が仲良くなるのすら時間がかかったのに女の子を "はい、仲良くしよーな" って受け入れるのは難しかったんだ。
「何でそんな緊張してるの？」
俺達の気も知らずにあっけらかんとした彼女は首を傾げて笑った。
幼く見えるようで意外と物事をハッキリ言う彼女は、この同年代の中で1番大人なのかも知れない。
「Aです。宜しくお願いします」
そう言ってまた頭を下げた彼女に俺も一歩踏み出した。
JN「イ・ジェノです。同い年だから、敬語はやめよう。宜しくね」
「うん、宜しく」
俺が笑いかけても、あとの3人の反応を気にしているのか練習室の床を見つめたままのAの手首を掴んで少し前に出すと3人もAも驚いた顔を見せた。
JN「皆、Aだって」
JM「えっあ…宜しくね、A。俺ジェミンだよ」
JN「ナ・ジェミンだから、ナナとか呼ばれてんのこいつ」
俺が話しているのを見て少し安心したのかジェミナも挨拶し始めると、彼女は俺の服の裾を掴んで自分より少し背の高いジェミナを見上げた。
「宜しくお願いします」
ペコッと頭を下げれば、その視線はジェミナの隣の2人に向けられた。2人も彼女同様に警戒心剥き出しって顔をしていて…多分みんなに見られてないんだろうけど、俺の服を掴む彼女の手に力が入った。
何か…家の近くに居た野良猫を思い出した。
HC「俺イ・ドンヒョク」
RJ「俺…ファン・ロンジュン」
「よ…宜しくお願いします、2人共」
RJ「んな緊張すんなよ」
「じゃあ緊張しない」
HC「その返事も不思議だけどな」
あれ、案外馴染むの早い。ってこの2人は警戒心を1度解けば意外と仲良くなるのは早いもんな、なんて既に俺の服から手を離しても隣にベッタリなAに対して妹のような感情を抱いていた。
.
.
.
「ねぇドンヒョガ」
HC「何？」
「何？じゃなくて、離して」
HC「ヤダね〜」
あれから1週間しか経っていないのにAはすっかり俺達コンコンズの一員になっていた。
今も休憩中に後ろから抱き着くドンヒョクに反抗しながらもされるがままのAは、ダンスも歌も経験者かと思うくらいの実力者だった。
マクヒョンとも挨拶してから普通に話してるみたいだし、何だか不思議な雰囲気の子が入って来た。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：heram | 作成日時：2019年3月19日 9時
