好き 9 ページ9
五条side
「あれ硝子1人?」
「おー」
「おっつー」
共有スペースに座った硝子は風呂上がりの一服で気分が良さそう、でもアイツは?
「……Aは居ないよ?」
「は…はああぁぁ!?聞いてねえし!!」
「あからさまな反応」
「俺が何であんな奴気にすんだよ!」
「いや逆にその態度で隠せてるつもり?」
白くて臭い匂いの煙が硝子の口から吐かれれば宙を舞って消えて、同じ空間に居る俺は必然的に受動喫煙で肺がやられるんだろうな。
そんな馬鹿と同じような考えまで偏差値が下がりかけた瞬間、硝子がニヤッと笑った。
「Aと夏油が任務先で泊まりになったんだよ」
「………」
「その様子だと知らなかったんだな」
「………」
「おーい五条、生きるかー?」
棒読み全開の硝子をガン見しながらさっきの言葉が頭の中で何度も繰り返される。
えっ… 傑と2人きりの任務?え?
そもそも傑…
アイツ1人で任務って言ってたよな?
「やられたああああああ!!!」
「うるせぇ」
「硝子!2人が恋仲になったら…なったら…」
「恋仲って言い方古いな」
「俺…ヤベェ…」
ここに来てやっと自分がAを好きな気持ちがデカイ事に気付く。
柄にもなく泣きそうなんだけど、何なんだよ
「あ、もしもし傑?」
「いや切り替えも電話かけるのも出る夏油も早いな」
硝子の静かなツッコミを隣に電話越しにクスクス笑う親友に腹が立つ。
同時に凄え羨ましい!!クッソ!!
俺も強いからAと任務組まれねえの腹立つ!!原辰徳!!!
「部屋は別々だよな!?」
「一部屋しか取れなかったんだ」
「はぁ!?他のホテル行け!俺が金は出してやる!」
「もう風呂に入ってしまったよ」
「は…?待て、まさか2人で入ったりしてねえよな?な?な!?」
「フフッ強いて言えば、彼女は着痩せするタイプかな」
「はっあああぁ!!??
っておい!切んなよ!!」
プツッと切られた電話に向かって吐いた悪態に脳の血管が切れた気がする。
いま絶対血圧上がってるわぁ〜。
「落ち着けよ五条」
「…落ち着けるかよ」
硝子の向かい側に座れば深呼吸した。
待て…ん?待て…"着痩せするタイプ"………?
「硝子」
「慰めないからね」
「いや、それは良いから教えて」
「ふーん?」
「煙草ワンカートン買う」
「何が知りたいの」
「Aって胸のサイズいくつですか」
「サイズはFだけど、触るとGくらいかな」
「!?くっそおおおお」
「キモ」
.
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:heram | 作成日時:2021年3月4日 23時