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嫌い 6 ページ6

家入side


『ねぇ硝子』

「ん?」

『最近あの2人変じゃない?』

「気の所為でしょ」

『あー、そう言われるとそうかも』



隣でニコニコ笑うAは親友の馬鹿



………違う、違うわね …間違えたわ

隣でニコニコ笑う馬鹿は親友のA
会った時から美人な見た目とは違ってヘラヘラ笑いながら人の心に入って来る、まさに天性の人たらし。

五条と夏油の様子が変なのは面白いわぁ
なんせ理由はAだとしても原因を作ったのは私だしね。
.
.
.

「Aって好きな人居ないの?」

『好きな人かぁ…』


悩むAの次の言葉に壁の向こうで耳を潜める男達の顔が目に浮かびながら、私は自分を指差すと小さな声で"私とか?"なんて聞いた。
勿論馬鹿で天使のAは『うん、居るよ』
って笑顔で首を振り続けてる。

可愛いね、馬鹿だけど。


「ふーん…で、付き合いたいとか思うの?」

『んー』

「今度スイーツデートに付き合うって約束してたじゃん(小声)」

『え?うん、もう付き合ってるよね?』


笑いながら慌てて付き合ってる宣言をするAに思わず笑いが出た。

コイツ…術師としての実力は高いのに…
  可愛すぎだろ

.
.
.

『唐突に頭撫でてどーしたの』

「アンタは変わらないで欲しいなぁって思って」

『えぇ…まだ伸び続けてるのに…?』

「誰が身長の話してんの」


私より少し高い位置にある頭を撫でれば子供みたいに嬉しそうに笑うから、私までつられて笑顔になる。
これが母性か、よし。


「Aはお泊まりデートとかしないの?」

『え?したことあるじゃん!』

「「!?」」


デカい図体の男が目を見開きながらAを見る姿に笑いを抑える。
ヤベェ、この子思った以上に転がされやすいし心配だわ。


「騙されたりしないようにね」

『え、詐欺?』

「まぁそんなもんとか色々」

『オレオレ詐欺だったかぁ』

「「???」」


クズな男達に騙されないか心配なんだよ…

見た目と違って純粋なAが心配なんだよ、私は。
まぁそのクズ達の火薬に火を付けたのは私なんだけどね。


「ウジウジしてる男は好き?」

『嫌いかな!』

「「……」」

「じゃあどんな人がタイプ?」

『んー…』


Aから出て来る言葉を待つ2人が必死過ぎて面白いわ。


『ギュッてしてくれる人!』


さてどっちが先攻かなぁ


.

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作者名:heram | 作成日時:2021年3月4日 23時

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