好き 3 ページ3
五条side
『五条おはよ〜』
「……はよ」
『あれ、不機嫌?』
間の抜けた馬鹿みてえなAと会ったのは入学式の次の日。
式の当日には緊急任務で居なかったらしいコイツはその時点で俺より強くて、俺より上で、俺より厄介だった。
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ある日、準1級のAと同伴する事を条件に許された任務に顔を顰めながら向かった。
『雨降りそうだね』
「……」
『私と話したくないかぁ…』
廃墟に着いても無口な俺に笑顔で話しかけて来るコイツの術式を俺はまだ知らなくて、知りたくもなかった。
『仕方ない、私が2階を見るから五条君は1階お願いします』
「は?何で勝手に決めてんだよ」
『わ、やっと喋った』
「俺が2階行く」
俺はただ俺の我儘を口に出しただけなのに、俺が目の前で話すのを嬉しそうに笑って見てるから調子狂う。
【カミ"…ガミ"イイイィィ!!】
2級の呪霊を倒した直後に上からの攻撃を避けたにも関わらず、恐らく1級近いソイツは俺の髪を何本か切ると嬉しそうに笑った。
「趣味悪いな」
【モッ…モット…カミ
チョオオオオダアアイィィ!!!!】
凄い速さで近付いて来たソイツは俺の腕に切り傷を入れると壁に投げ飛ばした。
んでナイフみたいに尖らせた腕で俺の髪をまたきる。
クッソ……マジで趣味悪い呪霊だな!?
あー…ヤッベ…血ぃ流し過ぎたか?
髪のついでに少し切れた額から出る血が視界を遮る瞬間、本気でヤバいと思った。
『五条君!!』
焦ったようなデカい声が聞こえたと思えば目の前のキモい呪霊が青い炎で凍り付いた。
七瀬が出した青い炎の中で呪霊が悲鳴を上げながら祓われるのを見ながら俺は壁に寄りかかって座った。
まぁ正確に言えば、身体に力が入らねえ。
『五条君!聞こえる!?』
「うるっせ」
『ごめん、反転術式使えないんだ…ごめんね』
そう言いながら泣きそうな顔をするコイツはハンカチで俺の額を抑えながら立たせると外に歩き始めた。
こーゆー余裕そうなところがムカつく。
『五条君、硝子の所に着くまで頑張って』
「五条君ってやめろよ」
『死なないで!五条!」
「勝手に殺すな」
車の中でも俺の傷口を抑える七瀬に寄りかかれば凄え身体が熱くて熱かと思ったくらい、コイツの術式は強い代償がある事を知って
その代償を図らないくらい俺を必死に助けてくれた事が嬉しかった。
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『沙悟浄!任務だって!』
「誰がハゲだ」
『髪奪われてたから…』
「表出ろ」
今じゃこんなんだ
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作者名:heram | 作成日時:2021年3月4日 23時