LIFE 1 ページ1
〜 side テン 〜
最近ドヨナの様子がおかしいと感じたのは、本当につい3日前ぐらいからで、きっとこれを感じているのは僕だけなんだろうなとも感じ取った。
ドヨナがAを本名で呼ばないのも、ある一定の距離を保ちながら彼女を兄として守っているのも何となく見ていて分かった。でも、最近のドヨナはその距離を自ら壊して行ってるんだ。どう考えてもおかしい。
TE「あ、おかえり〜」
今日もAが少しの時間だけでもオフなのを見計らって他の弟達より先に誘いを入れていたみたいだし…
僕を舐めないでよねドヨナ。デビュー前からずっと一緒なんだから、すぐ気付くよ。
DY「あ?あっ、起きてたのか」
TE「だって僕、明日オフだも〜ん」
「お肌に悪いですよヒョン」
TE「Aは早くお風呂入っちゃいなさい〜」
そう声をかければ "は〜い" なんて嬉しそうな声を出しながら風呂場に向かう妹を見送るとリビングを抜けて部屋に戻ろうとしたドヨナを追いかけた。
DY「えっ何してんだよテン」
TE「ドヨナ、僕にも隠す気?」
少し拗ねたように聞くと隠し事が出来ない真っ直ぐな僕の親友は眉を下げて申し訳なさそうな顔をするんだ。
ごめんね、ズル賢くて。
DY「…気付いてたのか?」
TE「逆に僕が気付かないと思ったの?」
DY「確かに…な」
ベッドに腰かければ1人ドヨナは泣きそうな顔をした。
ドヨナも僕も普段は年長組だからこそしっかりしていて、クン、ドヨナ、僕の3人の中でもドヨナはしっかり者で通っていた。
そんなドヨナが泣いている。
TE「泣かせる気はなかったんだよドヨナ」
隣に腰かければティッシュを箱ごと親友に渡す。隣から鼻を啜る音が聞こえる。
本当なんだ。
本当に泣かせる気はなかったんだよ。
DY「分かってる、悪い」
背中をさすれば普段は大きな背中が小さく見えて思わず僕まで泣きそうになった。
この仕事を選んだ以上、僕達の生活は制限される。
だけどその先の景色を皆で見る為に僕達は進み続けるんだ。例えそれが辛くても。
DY「俺……Aが好きだ…」
震える声で呟かれた言葉を、僕の耳はしっかりと受け止めていた。
.
77人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月12日 13時) (レス) id: ff73b1a8ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:heram | 作成日時:2019年3月12日 10時