あいつの事を好きな君【瀬見英太】

23.あの子が気になる ページ23

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山形side


珠ちゃんに、Aちゃんの気持ちを聞いてから。
なんでだ。どうしようもなく意識してしまう。
今まで、そういう風に考えたことなかったのに。
ってか、また教科書忘れちゃったよ……。
なんとなく、今は教科書を借りに1組に行くのは行きづらかった。



「山形くん？どうしたの？？」

「わ！！びっくりした」



Aちゃんがそこにいた。



「もしかして、また教科書忘れたの〜？」

「あ、ウン。大当たりデス……」



Aちゃんはくすくすと笑った。



「あ……」

「しょうがないなぁ〜待ってて。持って来るね」



走って、俺の元へ戻ってくる。



「はい、どうぞ」



その満面の笑み。
教科書を手渡すその手に、俺の手が少し触れた。


ドキッ……



「あ、ありがと……」

「どうしたの？なんか、元気ない？」

「いや、そんなことないよ！」



近づくと、女の子らしいいい香りがする。
なんだこれ……。
胸がドキドキしてきた。
また、返しに行くとき会えるのか……。
なんて。俺、何考えてるんだろう。

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