【キヨ】君の隣に立つ方法 ２

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キヨside

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レトさんは気を利かせてくれ、お風呂を沸かして先に入るように促す。


そこにタイミングよく着信音が鳴った。



「わりぃ、電話だわ。」



一言断ってから、滅多にかかってこない電話を不思議に思いつつ、表示された画面を見て驚く。


着信 【A】


通常のやり取りはメールで済ませるし、電話は本当にかかってくることは稀な相手だ。

それに加え、先程の様子が頭の中で映し出されて、どことなく後ろめたさが浮かぶ。



《はい、もしもし…？》



緊張で声が上ずりながらも、電話に出たが当の本人から応答はない。


微かに雨の響く音と風の音が聞こえるので、外にいることは容易に想像できた。



《何かあった？A？》



イタズラ目的で電話をしてくるような性格ではないし、何らかの事件に巻き込まれたのでは、と不安が胸に広がっていく。


その不安は俺を苛立たせるのに十分だった。



《……いやっ………だ……！！》



やっと聞こえた彼女の声は、少し籠ってはいたけど"嫌だ"と聞き取れた。


迷ってる時間なんてない。


俺に電話をしてくれたってことは、Aは少ながらず俺に助けを求めてるって事だ。


なら俺は、Aを助ける。



無我夢中でレトさんの家を飛び出して、カフェへ向かった。




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