【キヨ】君の隣に立つ方法 ２

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お墓の掃除を行いつつ、会話を交わしていく。



「私さ、Aちゃんには前に進んで欲しい。

いつまでも弟のことで囚われてて欲しくない。」

「私、囚われてなんか…、」

「囚われてるよ。
弟もAちゃんに罪滅ぼしなんてして欲しいって思ってないよ。

普通に恋人を作って、普通に恋愛して、普通に家庭を作って、子供を育ててってそういう普通を大事にして欲しいって思ってるはずだよ。」



率直に伝えられたその意見に今はどうしようもなく涙が溢れた。




センパイのためにって言葉で濁して、罪滅ぼしって言葉に縋って。


一番、センパイの死と向き合えてなくて。


歌い手だって、本当は自分で選んだ道なのに。


なんでもセンパイを理由付けに使って、結局、自分のことしか考えてなかった。



「…私、私、最低です。

自分があの事件を乗り越えられないのを、センパイを理由にして正当化して…ずっと、逃げてきた。

センパイの優しさを…あの日、守ってくれたセンパイの優しさを無下にしてました。」

「分かったならいいじゃん。

Aちゃんが生きててくれるだけで、あたしら家族も嬉しいよ。


活動も応援してる。

たしかに最初は弟のためだったかもしれない。
でも今はもう、るゐの歌は誰かに勇気を与えてるし、たくさんの人のためのものだよ。

かく言う、私もその1人だよ。」



どこまでこの人たちは優しいんだろう。


姉弟揃って、私に対してどこまで優しさを与えてくれるんだろう。




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