【キヨ】君の隣に立つ方法 ２

訪れた変化 ページ11

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消毒液の匂いが鼻を掠める。



いつまで経ってもこの匂いには慣れない。





ぼーっとする頭で、あの時のことを思い出す。

あのままキヨさんが来てくれなかったら、どうなっていたことか…考えるだけで身震いしてしまう。




あの日からしばらく雨が続いてる。



「おはよう。」

「あ、キヨさん。今日もありがとう。」



入院中の私の元へ毎日通いつめてくれているキヨさん。


大した外傷は無かった私だけど、やっぱり心は傷を負ったらしい。

事件の後遺症というものが今更、発症した。

心にストレスを感じたり、気候なんかで古傷が痛む…なんていう症状だけど、私にとっては激痛でしばらくは入院することを選んだ。



「今日も雨だけど、痛む？」

「…大丈夫だよ。」



他愛もない会話を交わしていると、数日前までのパニックが嘘みたいだ。



目覚めた当初。

私は、数年前の事件と今回の件を混同させて、ずっとセンパイとキヨさんを重ねていたらしい。

病室にやってくるキヨさんに対して、センパイとの思い出を語るなんて奇行に出ていたらしいけど、全く覚えがない。



そして、見えてきたことがある。



センパイにキヨさんを重ねているから、そういった感情が湧くのか定かではないけど。

私はキヨさんに惹かれている、ということ。




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