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お出かけ ページ8

ジェイsaid
「うわ、しっくりこない…」
「確かに何か決め手にかけるな…」
彼女が現れてから二日目、俺はオフの日だったからAと出かけることにした、俺がいると目立つからAに体を貸して。
鏡には俺と同じ色の彼女が納得していないという表情でメイスを持っている。
「銃もハンマーもボクの武器じゃない感じですね…」
「流石に素手ではなかったような気がするが…」
「…うーん、武器がわかれば能力も見えてきそうだと思ったのになぁ」
「なぁ、こっちのはどうだ?」
同行者であるガストが持ってきたのは変わり種の武器のレプリカ。

「……あ、これだ」
彼女がとったのは一つの刃物。
「日本刀は想像になかったなぁ」
構える姿はさっきまでとは別人に見える、うん、思い出してきた。

−あー、ジェイ先輩お疲れ様ですよー、あ、イクリプス?さっき切っちゃいましたー
凄いな…あれ、メンターは?
あ、今日オフでしてー

あの時、明らかに1人じゃ捌ききれない数だったんだがな…イクリプス相手の強さだったらオーバーフロウしたブラッドと変わらなかった気がする。

「LOMの時、大丈夫だったのか?」
「…人専用の刀があった気がする、けど…キース君とかブラッド君を切ってたような…」
「怖いな、それ」
…何だか、何かが抜けているような気がする

「美味しーい!」
「ホントだな!」
「…あんま騒ぐと良くないんじゃないか?」
気づけば周りの人達からジロジロ見られてしまった。
なるほど、1人で会話を成り立たせていたからだろう。
「ごめーん、パペット芸の練習してたらくせになっちゃったんだよねー?」
「ごめんなー」
ドーナツを持たない手をパクパクさせて何とかしのいだが…

すぐに人通りの少ない倉庫街に移動
した。ガストがいるとそういう輩があまり近寄ってこない。
「やっぱりボクはここにいちゃいけないのかなぁ…」
忘れてたってことはきっとそうでしょ?と言う。俺と同じ体だからわからないが、ガストの表情を見る限り、笑ってはいなそうだ。

「…俺は、もっとAのことを思い出したいから、いなくなられたら困るなぁ」
「ジェイ先輩…ボクの声で言われてもかっこつきませんねぇ…」
「ははっ、そうだな!HERIOSに戻ったらまた言うよ」
記憶がほんの少しだけでも、彼女は大切な仲間だから、笑っていて欲しい、心からそう思った。

幸の薄い女→←ヒーローだった人



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作者名:ナコナコ3 | 作成日時:2020年8月30日 6時

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