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「泣いたな」
「っ、泣いてない」
「いやいや」
「泣いて、っない」
「感動で？」
「いや、」
「嬉しくて？」
「......っ馬鹿だな、と思って」
「はぁ？」
「馬鹿だね、ミンソク。馬鹿正直で、
損するよ、そういう性格だと」
「損かどうか決めるのは俺だろ」
「もっとテレビなんだから、面白くていいんだよ」
「つまんない俺を起用した方が悪いんだろ」
「開き直りだよ。たち悪い」
「いいの。俺はもう決めたし。決めたらそうする」
「頑固だし」
「知ってるし」
「........っ、馬鹿だし」
「馬鹿だよ。
ほら、はい、返事は？」
心を、決めねばと思った。
ぐっと涙を拭って、勢いよく顔を上げる。
しゃきっとしろ、と自分に言い聞かせる。
「いち、掃除は旦那さんの仕事」
「.....ん？」
「に、料理は私がします。洗い物は旦那さんがしてくれると嬉しい」
「....うん」
「さん、結婚式はしたくないけど、ドレスは着たい」
「うん」
「よん、仕事で会った時もなるべく自然に」
「....それAのができなそうだけど」
「うるさい」
「すいません」
「ご、夜中の3時に電話しても、怒らない」
「.....俺、寝てるよ....」
「寝てるのは許す、寝たふりは許さない」
「はは、オッケー」
「ご、私が.....」
恥ずかしくて、手を見つめる。
「......私が？」
「私が、どこにいても、いつも味方でいて」
「私も、いつも、そうするから」
「わかった。約束するよ」
「...以上。これだけ守ってくれたら、結婚、してあげてもいいよ」
「はは、上からかよ」
本当は、最後のだけで充分だけど。
誤魔化しとか探り合いとか、そういうの、やめよう。
形は変だけど、また会ってしまったのだから。
どうなるかわからないけれど、最後までやってみよう。
今のミンソクと、向き合わねば。
それに、どんな形でも、
もう一度、ミンソクと会えるなら、それも悪くない。
「あと１つ」
「まだあんの？奥様は注文が多いね」
「私は、ミンソクと違って、嘘つきだよ」
「........？」
「さっきの、嘘だよ」
ゆっくりと喋る言葉を待つミンソク。
ミンソクは、私を、そして私のように隣の国から来た友人たちのことを、いつも待ってくれる人だ。
「部屋が、ってとこ」
「嘘だよ」
ミンソクが、笑う。
その笑顔が、見たかった。
忘れるなんて、無理な話だった。
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やま(プロフ) - 続きが気になってたので、更新めちゃくちゃ嬉しいです(＾▽＾) (2020年2月20日 2時) (
レス) id: d703a895c5 (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - すっごく面白くて続きがめちゃくちゃ気になります！もう更新されないんですか？ (2018年7月29日 17時) (レス) id: deb211a472 (このIDを非表示/違反報告)
ぷーたん(プロフ) - ここからどうなるのかすごい気になってます。更新待ってます！ (2017年4月11日 14時) (レス) id: 00423f2856 (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - 館花茶妃さん» ありがとうございます！ここからはなんとかイチャイチャさせたいと思ってます〜〜お待たせしてすみません！ (2016年11月14日 15時) (レス) id: d7566ac4dc (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - peachさん» ありがとうございます！自己満感強いのに楽しんで頂けてうれしいです！ (2016年11月14日 15時) (レス) id: d7566ac4dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなうたこ | 作成日時：2016年9月7日 20時
