Satisfy (ページ6)

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紫「あ、望？」
桃『はまちゃん？！』
紫「あぁ、ごめん、どうしたん」
桃『いや！！そっちこそどうしたん？！』
紫「え？」
桃『電話出ぇへんし、家行ったらサンダルだけ落ちてるし…』
紫「あー…」
桃『俺、死んだんかと思って…』
紫「死んでへんわ」
桃『どこにおるんよ』
紫「隣の子が拾ってくれてん」
桃『隣の子？』
紫「あのー…カフェの子」
桃『もしかして…っ』
紫「あのなぁ…」

　「濵田さん、っあ…」
紫「望、また後で電話するわ」
桃『え！待って！ちょっ、はまちゃ』
　「…大丈夫ですか？」
紫「大丈夫、ありがとう。これ作ってくれたん？」
　「お母さんがよく作ってくれてたので…」

卵おじや。なんか懐かしいな。俺のお母ちゃんも風邪ひいた時よう作ってくれてたな…

　「これ食べて薬飲んでくださいね」
紫「ん、ありがとう」
　「…よかった」
紫「え？」
　「寂しそうな顔してたから…笑ってくれて」

なんだか…いつもない感情……

心がぽかぽかして…苦しい…

紫「俺ー…寂しそうな顔してた？」
　「すごく。朝とか帰りとか…」
紫「…そっかぁ…寂しく見えてたんか…」
　「でも…」
紫「でも？」
　「…頼ってくれて嬉しかったです」
紫「…え？」
　「きっと…もっと頼れる人いると思うんですけど…」

濵田さん、あまり裏も表も人に見せなさそうだから…
こんな私にでも頼ってくれるんだなあ…って

紫「……」
　「あ、え…っ、ごめんなさいっ、あの…」
紫「え、あ…ごめん…っ」

気が付いたら泣いてた。
心がぽかぽかで満たされて悲しくないのに涙が出た

紫「…ありがとう」
　「あ、いや…その…」
紫「Aちゃん…」
　「ん？」
紫「ほんまにえぇ子やね」
　「い、いやいや！そんなことないですよ！！」
紫「…初めてこんな優しい子に出会ったわ」
　「いや、いや…あの…」

慌てふためくAちゃんを優しく抱きしめた。

　「濵田…さん、っ？」
紫「…ごめん、下心は無いねん…」
　「え…？」
紫「ただ…愛おしくて…」
　「……」
紫「優しくしてくれてありがとう」
　「…私も優しくしてもらったから…」
紫「……」
　「恩返しです」

そういうと俺をぎゅっと抱きしめ返してきた。
こんなに暖かく優しいハグは久しぶりや…

紫「……」
　「…さ、ご飯食べてくださいね」

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