Satisfy (ページ4)

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家に着くと隣の子が大きなゴミ袋を持っていた

紫「そんな大荷物で…どこ行くん？」
　「ご、ゴミを捨てに…」
紫「手伝おか？あと何個あるん？」
　「あと…４つくらい…」
紫「もっといで。俺も手伝うわ」
　「えっ、でも…」
紫「何回も往復するよりはマシやろ？」
　「……ありがとうございます」

ゴミ捨て場に行く間、特に会話はなかった。
というか…俺が話せへんかった

紫「あー…名前なんて言うん？」
　「A…です」
紫「可愛い名前してるんやなぁ」
　「…あの、お名前…」
紫「濵田崇裕です」
　「濵田さん」
紫「んー？」
　「あのー…」
紫「なに？」
　「…ここに口紅の跡…」

俺のシャツの襟ぐりにキスマーク
…やられた。

紫「あらら。ほんまに？」
　「…大変ですね」
紫「……？」

めちゃくちゃ気まずい雰囲気。やってもうたな…

紫「よっし…これで終わりやなぁ」
　「ありがとうございました！」
紫「じゃあ…」
　「あの…お、おやすみなさいっ」
紫「はい、おやすみー」

俺最低なやつと思われたかな…
いや、最低なやつなんやけど…

ーピンポーン

キラキラちゃん…いや、Aちゃんとバイバイしてからすぐにインターホンが鳴った。

紫「…？はい」
　「…あの」
紫「んー？どうしたん？」
　「口紅…が、油分なので…よかったらこれで…」
紫「貸してくれるん？」
　「私もよく…やっちゃうので」
紫「ありがとう、借りるなあ？」

笑顔で受け取り頭をポンポンした。

　「…！」
紫「…？」
　「あ、いや…すみません、おやすみなさい」
紫「はーい、おやすみ」

めっちゃ気遣いできる子やん。すごいなぁー

紫「これどうやって使うんやろ…こうかな」

いつもやったら捨てるシャツなのに…
なんか落とす洗剤みたいなん貸してくれたから

紫「うわあ…ほんまに落ちるんやぁ…すごいなぁ」

あの子すごいなぁ。さっすが女子やなあ…
口紅を落としたシャツを洗濯機に入れ回す。

紫「…♪…♪…♪…♪…」

ふわふわした気分の中、メールがたくさん来る

紫「…俺は業者か…」

マダムたちの欲望の塊のメールがたくさん来てる。もはや迷惑メールと変わらん量。

せっかくふわふわした気分やったのになぁ…

紫「コーヒー飲も」

コーヒー飲みながら１つずつ返信していく。
会いたいよ、とか、愛してる、とか。
簡単に言えるもんなんやなぁ……

旦那も子供もおるのに。
俺の何がいいん？優しいから？

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