どうも、アキハバラディビジョンです。【男主】

第二十五話 ページ30

『ちゅ、中王区？』

心の中でもしかすると、とは考えていたが
その言葉を聞くとどうしても驚く。おかげで声が裏返った。

琥珀『そんな…なんで姉さんが中王区なんかに？』

驚いているのは琥珀も同様だった。

真裏『さぁな。これは証拠がある訳でもない、ただの勘だからな…姉さんはそりゃ別の所居るかもだし』

『ま、それもそうだよな』

逆にちゃんとした証拠があっても驚くしな。

琥珀『そう、だよね…』

琥珀は困ったような表情で呟き、考えるそぶりを見せながら喋るのをやめた。





十秒程たち、琥珀は再び口を開いた。

琥珀『僕、行きたい。中王区に。』

『それは…本気か？』

琥珀『嘘な訳無いだろ？』



琥珀『僕、決めたんだ。何がなんでも姉さんに会うって。』

琥珀の声に一切の迷いは無かった。

真裏『そう、か。まあお前ならそう言うと思ったけどな』



琥珀『うん。だから待っててね。僕が帰ってくるまで』

『は？』
真裏『何言ってんだお前』

琥珀『え？だから中王区に行くから僕が帰ってくるの待っててね、って』


『何言ってんだ。俺達も行くっての』

真裏『そうだ。1人で女共のテリトリーなんざ行かせる訳いかないだろ？』

琥珀『…本当？』

真裏『俺達が嘘付く訳無いだろ？』

『それとも俺達じゃ力不足か？』


琥珀『ーもう！仕方ないな。そこまで言うんだったら連れてってあげるよ』

真裏『ホント素直じゃねえよな。殴るぞ』

琥珀『え、怖いんだけど』

「よし、行くぞ。中王区！」

琥珀、真裏『おう！』

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