ペットショップの捨て猫さん【羽宮一虎】

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虎「そういえばAちゃんっていくつなの？」


「今年26歳になるよ」


虎「あ、ほぼ一緒だ。オレ27歳」



意外と歳近いんだ、なんて思った。


タロウちゃん見た目が童顔だから、もっと若いかと思ってた。


店長も若そうだし。


てゆうか、タロウちゃんが27歳ってことは、店長ってもう少し年齢上なのかな？


全然そんな風には見えないけど…。

むしろまだ高校生でもいけるんじゃ？ってレベル。



「松野店長っていくつなの？」


虎「Aちゃんと同い年かな」


「え！？そうなんだ…全然見えない…幼く見えるね」



でも、私と同い年でショップ経営なんてすごいなぁ。


私は、ただやりたいこともなく今の会社に就職して、やりたくもない仕事してるだけだし。



虎「オレアイツのこと中学の時から知ってるけど、マジで変わってねぇの」


「そんな長い付き合いなんだ？」


虎「うん、すげーでしょ」


「うん、すごい！私は中学の友達とかあんまり連絡とってないなぁ」



地元から出てきちゃったしね。


生憎、友達みんな地元から出なかったから、中高の友達はほとんど残ってない。


大学からの友達しかいないや。



虎「オレさ、友達Aちゃんしかいないんだよねー」


「店長は友達じゃないの？」


虎「んー、アイツは戦友？」



タロウちゃんも、田舎から出てきたとかなのかな？


地元にしかいないのかも。



「そっか。私は大学時代の数人だけかなぁ」



中高の友達も、たまに元気にしてるかなー？って思うけど、

連絡とる手段もないし。


地元にはもう何年も帰ってないしな。


私は、今日は月がまんまるだなーなんて思いながら、空を見上げた。


星が結構見えて、今日晴れてるのがよくわかる。



虎「…Aちゃんってあんまり色々聞いてこないよね」



タロウちゃんは、ぼそっと呟く。



「だって、言いたくないことは言わなくていいでしょ」



私だって、言いたくないこと沢山あるし。


話してくれるなら、そりゃ知りたいことは沢山あるよ？


名前だって、店長と戦友っていうのだって。


今までどこで何して生きてきたの？って、気になる。



虎「マジでAちゃんのそういうとこ好きだわー」


「そう？」


虎「素でいられる感じ。めっちゃ心地良い」



タロウちゃんは、少し俯きながら、ふんわりと笑ってた。

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